4話 れんたん!
「なんと今日は、煉炭が手に入った!というわけで練炭自殺でおやすみなさい!」
新はそう言って部屋の中で練炭に火をつけようとした。
「待てぇーー!」
八木が扉から入ってきて練炭を取り上げた。
「なんで扉から入れる?」
「寮長先生に自殺を止めるために貸してもらったんだ!また懲りずに自殺なんかしやがって。」
「自殺なんか……?なんかって言った?」
「あっ……やべ。」
八木は練炭を持って新の部屋を出た。
はああ。
新は、心の中で深くため息をついた。
「あああああ。……そういえば勉強しなきゃな。」
新は、勉強をしに教科書を取った。
そして、勉強を始めた。
暫くして、香ばしい匂いがしてきた。
どうやら隣からのようだった。
「よし!いい感じに焼けたぞ!」
聞き覚えのある声が聞こえた。
まさかあいつか……。
予感は的中した。
八木だ。
八木が秋刀魚を焼いている。
新は、窓を開いて言った。
「人の煉炭で何勝手に秋刀魚焼いてんだよ!それに今春だよな!?なんで秋刀魚があるんだよ!」
「あっ、秋刀魚食う?」
「まず質問に答えようよ!食うけども。」
「んー、あー、えーと、秋刀魚は春に取れるやつだから?」
「なんで疑問形?」
「昨日送られてきて、どうやって食べるか迷ってたんだー!そこに運良く煉炭が!」
「なるほど……。」
「いい具合に焼けたからあげる!ほいっ!」
「ああ、ありがとう。」
新は八木と秋刀魚を食べた。
「めっちゃうまいな。いつもの2割増で美味い。」
「そうだろう、そうだろう。なんたって仕事先から貰ったものだからなぁ。」
「仕事先?バイト先じゃなくて?」
「うん。保育園の時からしているよ。」
「そうなんだ。」
そんなにイケメンには見えないけど、俳優でもしてんのかな。
人は見かけによらないな。
新と八木は、秋刀魚を食べながら話した。
死にたがり K.K @Palukw
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