【二人の帰路】
【二人の帰路】
「あ、見てみて、三日月」
「きれーい」
「なんで月が好きなのかって?」
「んーなんでだろ?w」
「自分でもあんまりよく分かんない」
「なんか落ち着くんだよねー」
「夜が好きなのかな、静かだし」
「あ、流れ星」
「きみは何かお願いした?」
「ふーん」
「わたしは」
「これからきみの家でえっちなことがしたい♡」(耳元でささやくように)
「( ´艸`)ぷぷぷ」
「うそぴょーんw」
「ほんとはね」
「素直に生きたいんだ」
「なーんてね、」
「シリアスはごめんだよねー」
「分からなくていいよ」
「変わらなきゃいけないのはわたし自身なんだから」
「きみの生き方が好き」
「わたしもきみのように、さ」
「偽らない生き方をしたいな、って」
「勇気がないんだよね」
「自分を主張すると友達とかがいなくなるかなって」
「きみとこうしているのはちょっと自分を主張しているんだよね」
「元々はわたしもぼっち」
「クラスカースト最底辺」
「変わろうと思って陽キャの仮面を被っているけど、変われば変わるほど苦しくて」
「きみみたいに偽らないで生きたい」
「自分を認めてあげたい」
「でもできない」
「え? きみがわたしを羨ましい?」
「わたしを?」
「へぇそうなんだ」
「………………あのさ」
「同盟結ばない?」
「そ、同盟」
「互いに困ったいたら助ける、そういう同盟」
「いい? ありがと」
「昨日今日ときみを振り回してごめんね」
「月曜日からはまた仮面を被った生活に戻るけど」
「けど」
「互いに、ね」
「学校生活を楽しも?」
「え? きみはもう楽しいの?」
「なんで?」
「え? わたし?」
「友達? 同盟じゃなくて友達?」
「互いに助け合うのが友達なんだ。ふふ」
「やっぱりきみはサイコーだよ」
「本当の友達ができてうれしいよ」
「ちょっと耳貸して」
「目を瞑って」(耳元でささやくように)
「キスは、こうするの……」(耳元でささやくように)
(きみとわたしのキス)
「( ´艸`)ぷぷぷ」
「どう?」
「友達を超えてわたしたち、恋人同士になっちゃう?」
「( ´艸`)ぷぷぷ」
「わたしは本気かも きみは?」
「きみも? ありがと♡」
「学校が楽しくなりそうだよ」
「さぁ、夜はもう短いぞぉ。帰ろっか」
【二人の帰路 END】
おわり
陰キャな僕の耳もとで囁く木村さん とろり。 @towanosakura
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