決戦前夜の女の戦いの始まり


「それで、なんで俺はこんな事になってるの?」



 優馬は私の部屋で、私の目の前で正座している。

 そして何故か妹の美優も一緒にいる。



「しらを切ってもだめよ? 分かっているのよこちらは」


「いや、だから何をだよ?」


「明日、夏ランドに女友達と行くつもりでしょう?」


「ギクッ! な、なんで姉ちゃんがそれ知ってるんだよ!?」


「やっぱり! お兄ちゃんずるい、私もイクぅ!」



 私と美優に問い詰められた優馬はタジタジだった。

 しかしこの姉を放置してどこの馬の骨かも知らない女などと、ひと夏のアバンチュールを許す私ではない。



「優馬、明日は私も一緒に行くわよ?」


「え”っ? ね、姉ちゃんも一緒に行くつもりかよ?」


「当り前じゃない。弟は私の所有物、勝手に何処かに行く事は許さないわ」


「私も一緒に行くよ、お兄ちゃん! ちゃんとお父さんからお小遣いもらったからね!!」


 

 私と美優のその宣言に優馬は大きなため息をついて言う。

 

「ちょっとあっちに聞いてみるから、待っててくれ」


 そう言ってスマホでSNSの書き込みをする。

 すると程無く返信の通知が来る。


「いいらしい。分かった、一緒にいくか……」


「何その顔は? この姉の水着姿が拝めるのよ? 素直に喜びなさい」


「私もすっごい水着だからね! お兄ちゃん楽しみにしててね♡」


 優馬はうなだれながらハイハイとか言っているけど、しっかりと私の胸に視線が行っている。

 ふふふふ、分かっているわ。

 明日にはこれをあなたの好きにさせてあげるから、安心なさい。


 そして優馬の初めては私がもらうわ。




 私はその時を思い描き、にんまりとするのだった。




【姉の水着の、な・い・し・ょ♡】


―― おしまい ――


*イメージ画像はこちらまで!

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姉の水着の、な・い・し・ょ♡ さいとう みさき @saitoumisaki

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