双子の一日

@tamaazusa

第1話

 私には、双子の姉が居る。

 一卵性双生児で、顔はそっくりだ。

 でも、性格は全然違う。

 姉はほんとに、ほんっとうにいじわるなのだ。

 私と姉との初めてのお出かけは、ひどいものだった。


 私と姉はデパートで買い物をしていた。

 まず服を買おうと、適当な服屋に入った。

 そして服を見繕う。

「あ、これよさそう。ちょっと着てみてよ」

 そう言って、姉が私にかわいらしい服を渡してきた。

「こんなにかわいい服、私には似合わないって」

 私は拒もうとするが、姉は私の手を引いて試着室まで連れていく。

「まあ、一回着てみなさいよ」

 しぶしぶ、私はその服を着る。

「うん……? あれ?」

 何度着ようとしても、服がすとんと落ちてしまう。

 私は、姉がなぜこの服を進めてきたのかが分かった。

 試着室から出て、私は姉に詰め寄る。

「私が胸にコンプレックスがあるって知ってて渡したでしょ!」

「あれ? 私は着れるんだけどな」

 その答えにムカついて、私は姉を置いて服屋を出た。

「ほんっとむかつく」

 イラつきを抑えようと、私はカフェに入った。

 私はチョコが好きなので、チョコケーキを頼む。

 そんなとき、姉がやってきた。

「おいてかないでよ……」

 そういいながら、姉はショートケーキを頼んだ。

 どちらのケーキも運ばれてきたとき、姉は私に半分こしないかと提案してきた。

 私はついつい承諾して、先に私のケーキを半分取るように促した。

 すると姉は、上半分だけを持って行った。

「は!? 何してんの!?」

 私はもちろん激昂して、取り返そうとする。

 しかし姉はそのチョコケーキの上半分を、丸呑みした。

 私はあきれてものも言えなかったが、せめてとショートケーキの上に乗っかっているいちごを取ろうとする。

 姉は何もせずそのいちごを私に譲るが、私がそのイチゴを食べる間に、ショートケーキの方を平らげた。

 私はチョコケーキの土台を泣きながら食べるしかなかった。

 そんなときに、姉はこうほざいた。

「飲み物なくなったから、あんたのやつ半分ちょーだい」

 飲み物なら大丈夫だと思った私が馬鹿だったと、今になったら思う。

 姉は迷わず私のジュースを自分のコップにすべて注いだ。

「ちょっと何してんの!?」

 私は驚いて、氷だけになった自分のコップを見つめる。

「え? 氷がジュースの容積の半分を占めてるじゃん」

「だからジュースを全部奪って、氷だけにしたってこと!?」

「うん」

 悪びれる様子もなく、姉は答える。

「というか、食べたんだったらもう出ようよ」

 私はチョコケーキを食べた後に、カフェオレが飲みたかったのに……!

 いつもいつも、不公平だ。

 ぷんぷんした気持ちでいると、不意に姉が尋ねてきた。

「あ、割り勘でいい?」

 私はぶち切れて、姉の腹を殴った。

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