第6話 エピローグ
犯人が逮捕され、事件は一応の解決を見た。結城は通天閣を見上げながら、二度とこの場所が恐怖の舞台とならないよう、心から願った。
美咲は結城にそっと言った。「これで、また平和な日々が戻るといいですね」
藤堂警部は事件を通して新たな教訓を得たが、次の事件に備えて気を引き締めた。
大阪の夜空にそびえる通天閣は、いつものように輝きを放っていた。
事件後、通天閣の展望台に立つ美咲は、眺望の美しさも忘れ、手に持ったスマートフォンに集中していた。画面には「バイオハザードリアル」と表示され、周囲のリアルな風景とゲームが組み合わさっていた。彼女の目は画面に釘付けになり、その動作は一心不乱であった。
ゲームの指示に従いながら、美咲はスムーズに画面上の目標を追い続けていた。しかし、その集中の裏には、葛城烈とのセクシュアルな経験がふと心に浮かんでいた。彼との瞬間が、過去の出来事としてリアルに思い出され、彼女の心に深く刻まれていた。
美咲がゲーム内のゾンビに囲まれ、戦いながら、彼との甘い記憶がフラッシュバックする。通天閣の展望台から見下ろす街並みが、彼との一夜の情熱的な情景と重なり、時折その熱い感覚が美咲の胸を締め付ける。
ゲームの音声が、葛城とのセクシュアルなひとときとリンクし、美咲は自分がどこにいるのか、何をしているのかを一瞬忘れてしまう。彼の笑顔、彼との会話、そしてその触れ合いが、彼女の心に今も鮮明に残っていた。
「もっと前に進まないと…」美咲は自分に言い聞かせ、ゲームの指示に従う。彼女の指先はスマートフォンをタップし続け、しかしその集中の合間に、葛城との思い出が絶えず蘇るのだった。
通天閣の展望台から見える夜景が、彼とのセクシュアルな記憶と交錯し、美咲の心の中で鮮やかなコントラストを成していた。ゲーム内での緊張感と、彼との甘い瞬間が、彼女の感情を複雑に交じり合わせる。
ESCAPE⑤ 通天閣連続殺人事件 鷹山トシキ @1982
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