行く夏に咲く、色鮮やかな思い出の読書感想文。

読書感想文についての作者の『想い』が
籠ったエッセイである。今でこそ沢山の
作品を読み感想を記し、また自らも大変
多岐に渡る作品の数々を描かれている
作者の、幼少時の晩夏の思い出である。

『天国にいちばん近い島』は、幼い心に
何を残したのか。今まで見た事もなかった
美しく鮮やかな世界を読む事、そして
自ら文字へと書き起こす事は、擬似体験を
齎す。亡き父への想い、そして異文化への
驚きと憧れが、夏の終わりに体験した
『常夏の島での思い出』として、心に深く
刻まれてゆく。

向日葵の絵と共に張り出された、作者の
読書感想文。それを目にする事で、きっと
更なる素敵な擬似体験が起きる事だろう。

『想い』は伝播する。

それは、二重丸以上の価値があるのだ。