泥の死 －ある未解決事件関係者の手記－

０８：八月九日（金）／全国／資料（２）

■新聞記事００１■

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［　藍ヶ崎市新委住の山道付近で、成人男性の白骨遺体を発見　］

『星藍（ほしあい）日報』二〇二×年八月七日（朝刊・社会面）

　八月六日の午前九時半頃、Ｓ県藍ヶ崎市新委住の山道付近で、散歩中に通り掛かった七〇代の男性が遺体を発見した。遺体は成人男性とみられるが、発見時にすでに白骨化していたという。人骨はばらけることなく、一箇所にまとまっており、周囲には生前着用していた衣服も残されていた模様だ。遺留された衣服は、薄手の青いシャツとインナー、デニムパンツ。他にもバッグと眼鏡を身に着けていた。

　警察は、現場の状況などから判断した結果、遺体が他殺された可能性が高いものとして、捜査を進めている。

　現場付近の住民の中には「舗装された道路から外れた場所とはいえ、わりと普段から人の往来があるところ。まさか白骨化するほど長い期間、この辺りにずっと遺体があって、今までに誰も気付かなかったとは信じられない」と、驚いた様子で語る人もいた。

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［　発見された白骨遺体　二〇歳前後の男性か　藍ヶ崎市新委住　］

『毎陽（まいよう）新聞』二〇二×年八月九日（朝刊・社会面）

　今月六日午前九時半頃、警察は当時散歩中だった七〇代男性から「藍ヶ崎市新委住の山道付近で、白骨化した遺体を発見した」との通報を受けた。

　藍ヶ崎署は現場を確認の上、七日に遺体を解剖した。その結果、遺体は二〇歳前後の若い成人男性とみられ、他殺後に遺棄された可能性が高いものとしている。

　ただし死因や殺害方法については、判明していない。

　また現場の状況に不審な点が多く、遺体の身元特定を急ぐと共に、慎重に捜査を進めている。

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