月見酒

 円やかな

 月に願いて

 注ぎしも

 満たす盃

 永遠にはあらむ




 カドのない貴女に惹かれて

 抱いたわたしが、いけないのでしょうか。

 あなたを孕ませた バツなのでしょうか。

 貴女も姫も失ってしまった。

 わたしは、貴女にそばにいてほしかった。

 それだけで あったのに……


 幸せは永遠に届かない……


 夜空に浮かぶ月のようだ。

 盃にうつして飲み干して、

 手に入れたと思ったら 

 いつの間にやら 消えていく。


 満たされることのない想い。



 手に入れたくて 今宵もまた盃に浮かべて……











  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

月見酒 結音(Yuine) @midsummer-violet

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ