第8話

 カーテンが閉ざされ、暗い部屋。微かに聞こえるパソコンのファンの音。こんもりと膨らんだベッドの中で、ぼんやりと光るワイフォンのディスプレイ。こもった空気がどこか重たさを引き連れてくる。


『最近呟き多いですね! 可愛い画像が多いので嬉しいですー』

『面白い。フォローしました』

『これパクリ画像じゃん』

『もっとウケるのも欲しいな』

『趣味いいwww』

『前より頻度多いね? 暇なの? ニート?』

『友達から教えてもらいました。フォローしたんでよろです』


 次々と流れてくるコメント。それらに虚ろな目を向けながら、新たな画像を投稿。再び増えるコメント。素早く拡散されていく。また増えるコメント。

 ぶくりと、顔の皮膚が膨らんだ気がした。

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