4日目 郷に入れば郷に従え!(命令形)



 私が住んでいるケベック州というのは、カナダのフランス東側に位置する州です。カナダはイギリスとフランスに植民地支配されていたという歴史があり、ケベックはフランスに支配されていました。なので、カナダの中でも異色のフランス語圏なんです。カナダの公用語は英語・フランス語となっていますが、バンクーバーなど西の方ではフランス語は通じないそうです。ちなみに、オタワはケベックから近いのでギリ通じます。

ケベックでも地元の人の比較的若い世代(50歳以下)は英語も話せますが、それ以上の世代は英語は通じないことも多いです。また、移民も多くがフランス語圏(フランス、ベルギー、モロッコ、アルジェリアなど)出身なので、特に北アフリカ出身の移民は英語は得意でない人が多いです。



 そんな北米のパリとも呼ばれるケベックには、日本人からすると『え?』みたいなおかしな法律があります。loi no 96《第96法案》と呼ばれ、要するに公共の場でフランス語を使いなさい!という法律です。企業は公共交通機関、病院などの公共施設はフランス語の使用(レストランのメニューのフランス語表記、アナウンスはフランス語で行うなど。)が義務付けられており、またケベックに住まう人々は公共の場ではフランス語を使うことを推奨されています。



 日本で例えると、例えば、駅の構内や公共施設には『出口/EXIT』って日本語/英語表記になってますよね。電車のアナウンスも日本語と英語がありますし。それがフランス語オンリーでケベックでは、出口は『SORTIE』のみ、電車やバスのアナウンスもフランス語だけです。


 

 そんな地域ですから、外出するとき不用意に日本語で話していると、

「ここはケベックだ!フランス語喋れ!」

と見知らぬムッシュやマダムから言われることもあります。

(喋れるものなら喋りたい(前話参照))



 しかし、心配すること勿れ。

若者はほとんどみんな英語が話せるので、観光で来ても英語でアイスクリームを注文することができます。

しかし、Bonjour(こんにちは)、Merci(ありがとう)くらいはフランス語で言えると店員さんも気持ちよくサービスしてくれるでしょう。

これは持論なんですが、海外旅行に行くならその土地の『こんにちは』と『ありがとう』くらいは言えた方がかっこよくないですか?


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