3日目 国際結婚あるある探検隊



 結婚相手がカナダ人だった件。なんて掠りもしない、なろう系小説みたいな私たち夫婦です。

実は、私は全く海外なんて興味ない、寧ろ国内旅行サイコー!全国制覇したい!って位、海外に毛ほども興味のない人間でした。

出会ってfall in loveした相手がたまたまカナダ人だったんです。

だから、当然英語なんて全て忘れてるし、彼のルー大柴顔負けの英語日本語ミックスの会話にひたすら「???」となりながらも頑張ってコミュニケーションを取ってました。



 なので、出会ってから彼氏、カナダ人!英語!イングリッシュ!と、まぁ必死に中学英語からやり始めた私ですが、見事にアテが外れ、なぜかだだっ広いカナダでもたった一州しかないフランス語圏出身だった彼氏(現:夫)。

「カエデ、俺の母語はフランス語だよ」

と言われた時の衝撃は生涯忘れることはないでしょう。



 付き合い始めの頃からABCの発音から開始したフランス語。

特に〝R〟と〝E〟の発音が厄介でした。

フランス映画などを見たことがある方ならお分かりでしょう。

フランス語特有の鼻?喉?に籠った音、日本語の〝う〟とも〝ゆ〟とも取れる複雑な発音…

発音できるまでに3年はかかりました。



 そんなこんなで、お店でアイスクリームを注文できるくらいには独学で頑張った私。



 ご想像のとおり、私たち夫婦は日本語で会話しています。

なので、ある日アイスクリームの注文がフランス語でできるようになった私は調子に乗って夫に言いました。

「ねぇ、モンシェリダーリン、たまにフランス語で話さない?例えば外ではフランス語とか。そうすれば私のフランス語、もっと上達すると思わない?」

彼はこの世の終わりのような顔をしてこう言いました。

「モンシェリ!?キモいよ!カエデ、大丈夫!?それに、今更君とフランス語で話すなんて気持ち悪いからヤダ!」



「気持ち悪い」

「気持ち悪い」

「気持ち悪い」

……

ショックで気づいたら私は夫に中指を立てていました。

だって、必死で勉強してるフランス語を少し手伝って欲しくて…ただそれだけだったのに…。



 後日、日本人の美容師さんが在籍する美容院で髪を切ってもらいました。

彼もまたケベック出身の女性と結婚し、ケベックに住んでいました。

私は彼に、夫にフランス語で話そうと言ったら気持ち悪いと一蹴された話をしました。

「あぁ…あるあるですね。僕も奥さんと長い間英語で話してましたから、そう言ったら同じ反応されましたよ。」

私のショックはどうやら国際結婚あるあるだったみたいです。

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