実は…
美桜梨ちゃんと並んで座っていると、ほんとにカップルなんじゃなかろうか?と思ってしまう。
そんな脳内お花畑だったオレに美桜梨ちゃんは、
「浩介くん、ごめんね」
と、いきなりの謝罪。
⁇
「え?なんのごめん?」
と聞くと美桜梨ちゃんは、
「わたし…みんなから嫌われてたでしょ?それを浩介くんが救ってくれたじゃない。わたしって、なんの価値もない…頑張ってもない人間でしょ。それなのに浩介くんは、わたしを…こんなわたしをいつもさ…」
と、美桜梨ちゃんらしくない発言をした後、涙を溢した。
…
知らなかった。
美桜梨ちゃんがそんなふうに思っていたなんて…。
「あのさ、美桜梨ちゃんはなんの価値もないとか頑張ってないって言うけど、美桜梨ちゃんは、頑張ってるよ。そもそもさ、頑張ってない人なんかこの世に一人もいないんだ。だって、みんなどこかで人にはわからない辛さとか大変さを乗り越えているんだし、そもそも、生きているだけで頑張っているんだからさ」
と、オレは美桜梨ちゃんに笑顔を向けた。
そしたら美桜梨ちゃんは、
「うん…。うん、そうだよね」
と、泣きながらもオレに笑顔を向けてくれた。
美桜梨ちゃんは、ほんとはやっぱり色々抱え込んでいて辛かったのだろう。
まだ、前の学校であったことが心の傷として残っているようだった。
傷は、魔法を使わない限り一瞬で治るわけもない。
ゆっくり、少しずつ治療するのが賢明だと感じた。
「あのさ、美桜梨ちゃん。」
「なに?」
「その…美桜梨ちゃんの価値がないってやつなんだけど…」
「うん?」
「オレは…美桜梨ちゃんの笑顔をみると、めっちゃ幸せな気持ちになるんだ!」
と思い切っていってみた。
…
告白って思われたかな…?
まぁ、間違ってないけど…。
すると美桜梨ちゃんは、
「え…わたしの笑顔が?浩介くんを?」
と、驚いていた。
…
美桜梨ちゃん…
自己肯定感低……低かったりするのかな?
しばらく何かを考えて、美桜梨ちゃんは、
「なら、ずっと笑う‼︎浩介くんが幸せな気持ちなるんなら、わたし…ずっとずっと浩介くんの隣で笑ってたい‼︎」
と、最高の笑顔を向けてくれた。
夕日に美桜梨ちゃんがちょうど照らされて、なんだか美桜梨ちゃんが神々しい女神さまのようにオレには映った。
「なんか、それプロポーズみたい」
ってオレが笑うと美桜梨ちゃんも、
「あ、ほんとだ」
って笑った。
そして、ひとしきり二人で笑ったあとオレは、美桜梨ちゃんに気持ちをストレートに伝えた。
「オレは、美桜梨ちゃんが好き」
と。
すると美桜梨ちゃんも、
「わたしも好き。これからも末永くお願いします。」
と言った。
「それさ、結婚の挨拶?」
と、またもツボるオレ。
そして美桜梨ちゃんも笑った。
「でもさ、いつか結婚したい」
とオレが伝えると美桜梨ちゃんは、
「それは、どうかなぁ?まだ先のことだし」
といきなり言い出した。
それも少し含み笑いで。
「え、美桜梨ちゃんってツンデレ?だったり…する?」
と聞くと美桜梨ちゃんは、
「うそ、わたしはデレ一択です」
と、オレに抱きついてきた。
えっ♡
そんなんされたらオレは、もうね…
「美桜梨ちゃん‼︎いきなりそれは反則だからね」
と、オレも美桜梨ちゃんを優しく包み込んだ。
そして、綺麗な夕日に照らされながらオレは美桜梨ちゃんとキスをするのでありました。
美桜梨ちゃんの傷は、オレが寄り添ってゆっくり治療していこうと思う。
美桜梨ちゃんの隠れファンも多いから、そこからも守っていくし、ファンには諦めてもらうためにオレも色々頑張らなきゃだ。
とりあえず、ほっそほそじゃ美桜梨ちゃんを守れないから、どんなゴツいやつにも負けないくらい頑張らなきゃだ。
「美桜梨ちゃん、オレ今日からササミとブロッコリーメインで生きるわ」
と、宣言した。
「そしたら、美桜梨ちゃんは、わたしはじゃあ…カリフラワーから始めようかな?」
と言い出した。
…たぶん強い男になる宣言伝わってなかった。
でも、やっぱり美桜梨ちゃんは、かわいい。
「もー、美桜梨ちゃんカリフラワーってなに?」
「えー、ササミとブロッコリーの方が意味不明〜。てか、お腹が空いた〜」
「わかったよ。じゃあ、ボクのこの筋肉をお食べ」
とオレは、か細い上腕二頭筋を見せた。
「えーっ…」
と言いながら笑う美桜梨ちゃん。
そして…
また、いきなりの美桜梨ちゃんがオレに突然キスしてきた。
そして、
「ごちそうさま♡」
と。
だからオレも
「オレも空腹なんだ」
と、チュッ♡とした。
そして、また笑いあった。
笑った美桜梨ちゃんの笑顔がやっぱり大好きだと、オレは改めて思うのでありました。
おしまい♡
陰キャなオレが陽キャになったら幼馴染が陰キャになった⁉︎ 猫の集会 @2066-
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