昔から思ってた。
学校って何で四角いんだろうって。
人が集まる時は輪になるのに、皆の顔を平等に見よう、声を聴こうと思ったら輪にならないとダメなのに。
教室も四角い。
体育館も四角い。
掃除だって角には埃が溜まってしまうじゃないか。曲がりなりにもそこに住んでる居候でも部屋を丸く掃くのだから、通ってるだけの小学生が四角い教室の隅々まで目が届くはずもない。
そんな匣の中にいるから、きっと色々角が立つんじゃないのかな──
小学五年生のココも真新しい匣に突然放り込まれます。出来たばかりの学校。出来たばかりの友達。四角い教室で変な三角関係にも悩まされながら。
見えない顔。届かない声。
好きな漫画もママに見付からないように描かなきゃいけないし……
今匣の中にいる子供達にはリアルタイムで、そしてかつて子供だった人はもう一度、懐かしいのに思い出したくない閉塞感を味わえる物語です。