幽霊少女と謎の階段
宮森きうい
第5話 不思議な階段
佐藤真奈美は、放課後の静かな校舎を歩いていた。夕方の光が窓から差し込み、廊下に長い影を落としている。彼女はいつもこの時間帯に校舎を探検するのが好きだった。特に古い校舎の部分は、何か秘密が隠されているような気がしてならなかった。
その日も、真奈美は古い校舎の奥へと足を運んだ。埃っぽい空気と、古びた木の香りが漂う廊下を進んでいくと、ふと目の前に不思議な階段が現れた。普段は見えないはずのその階段は、夕方の特定の時間帯にだけ現れるという噂があった。
「これがその階段…?」
真奈美は心臓が高鳴るのを感じながら、階段を見つめた。階段は古びていて、まるで何十年も使われていないかのようだった。しかし、その先には何かが待っているような気がしてならなかった。
「行ってみよう…」
真奈美は決意を固め、階段を一歩一歩登り始めた。階段を登るたびに、周囲の空気が冷たくなっていくのを感じた。まるで時間が止まったかのような静寂が広がり、彼女の足音だけが響いていた。
階段を登り切ると、古い教室にたどり着いた。教室の中は薄暗く、埃が舞っている。真奈美は教室の中央に立ち、周囲を見渡した。その時、彼女の目に飛び込んできたのは、透き通るような姿をした少女だった。
「あなたは…?」
真奈美は驚きと恐怖で声を震わせた。少女は悲しげな表情を浮かべ、真奈美に近づいてきた。
「私は玲奈。この学校で死んだ幽霊よ。」
玲奈の言葉に、真奈美は息を呑んだ。幽霊なんて信じられないと思っていたが、目の前にいる玲奈の姿はあまりにも現実的だった。
「どうしてここにいるの?」
真奈美は恐る恐る尋ねた。玲奈は悲しげに微笑み、答えた。
「私の死の真相を解明するために、あなたの助けが必要なの。」
その言葉に、真奈美は心を動かされた。彼女は玲奈のために何かできることがあるなら、力になりたいと思った。
「わかった。私が手伝うよ。」
真奈美の決意に、玲奈は感謝の笑みを浮かべた。こうして、二人の不思議な冒険が始まった。
幽霊少女と謎の階段 宮森きうい @kiui_2017_nico
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。幽霊少女と謎の階段の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます