登場人物紹介3(ネタバレ注意)

レイア

年齢――16歳→17歳→19歳→24歳

好きなもの――メナ

嫌いなもの――アルカナ

主人公。

昔は農村に住んでいたが、いろいろあってメナたちと一緒に暮らすようになった。同年代で、元々仲が良かったメナと一緒に暮らせるようになると二人は常に一緒に居るようになる。くっつくのも時間の問題だった。くっついた。くっついてもずっと一緒にいる。商売の才能はほどほどだった。接客は好きだったけど物を高く売ることにあんまり興味がなかったので、商店のお客さんの間ではレイア相手に値切ることは節約の裏技になっていた。

『竜の災害』の後は、メナを支える剣士となる。とはいえ、ちょっとした魔物程度ならレイアが駆除する方が楽で早いので、基本的にレイアが戦うことが多い。メナより心が強い。というか、メナが近くにいるだけで気分にバフがかかる。

ロゴスの再建後は、主に冒険者たちの面倒を見ていた。運営もほどほどにやっていたけれど、あまり真面目には取り組んでいなかった。なんだかんだと理由をつけて冒険者たちに訓練を施していた。その成果として、冒険者たちは立派にエリートとして活躍してくれている。結果オーライだった。

竜を狩って以降は、塞ぎ込んでいた。ずっと家に閉じこもっていて、人が変わったかのように、ずっと仕事に没頭していた。たまに来るニコの他に誰も家に寄せ付けず、自身の役割を機械のように黙々とこなしていた。心は空っぽになっていた。

後世において、記録はほんの少ししか残されていない。物知りの冒険者や、その地域の歴史の専門家しか知らない、最初のS級冒険者の片割れ。その程度の認識で、ほぼ伝説と思われている。

「魔物に制圧された都市をたった二人で解放? 誇張された伝説だな、あり得ない」

けど、黒竜はその後もずっと生きている。

冒険者ギルドの掲示板には、黒竜討伐の依頼がずっと貼られていた。


メナ

年齢――16歳→17歳→19歳

好きなもの――レイア、勉強、アルカナ

嫌いなもの――怠惰

ヒロイン。

生まれも育ちもロゴスの生粋の都会っ子だった。小さい頃は親が行商をしていたので、それに引っ付いていろいろな場所に行っていた。なので、結構ワイルドなところもあった。レイアと暮らせるようになる事情はその時から知っていたので、複雑な気分でもあった。けど実際一緒に暮らしてみると毎日がたのしかった。ずっと一緒にいたかった。商売の才能は凄かった。それどころか、他の才能もすごかった。『災害』がなかったとしても、自然に魔法に目覚めて魔法使いとして大成していた。

『災害』の後は、レイアに支えられる魔法使いとなった。とはいえ、よく怪我をするレイアの手当を行うのがほとんどだった。実際には支えているのはこっち側だった。あんまり心は強くなかった。レイアに激重感情を抱いているけど、いつも隠していた。

ロゴスの再建後は、大好きな書類仕事をずっとやっていられたので毎日が楽しかった。魔法の鍛錬も欠かさなかったけど、冒険者たちと訓練を繰り返すレイア相手と比べるとちょっと弱くなっていた。結婚の事も前向きに考えていた。アルカナが早く帰って来ないと結婚できないため、アルカナの帰還を今か今かと待ち望んでいた。

後世において、記録はほんの少ししか残されていない。物知りの冒険者や、その地域の歴史の専門家しか知らない、最初のS級冒険者の片割れ。その程度の認識で、ほぼ伝説と思われている。

「魔物に制圧された都市をたった二人で解放? 誇張された伝説だな、あり得ない」

もし生きていれば、アルカナを超える魔法使いになれていた。


ニコ

年齢――14歳→16歳→21歳

好きなもの――家族、演劇

嫌いなもの――悲劇

妹みたいな存在。

生存者たちのリーダー格だった家族の一人娘。いつも明るく、元気で、悲しい表情は絶対に見せない。小さい頃に、村の宴会の時に村人たちで演じた劇で主演をやって以来、劇作家になるのが夢だった。でも、魔法使いになってしまった。人生思う通りにはいかない。

ロゴスの再建後は冒険者たちの実質的なリーダーとして、唯一のA級冒険者として、レイアやメナの代わりに魔物の討伐を行ったり、冒険者たちを纏めたりしていた。レイアとメナが魔物の討伐に出るときは、それだけで一大事に思われかねないので、ちょっとした大物程度ならニコが討伐を行っていた。

竜を狩って以降は、レイアの代わりに表に立っていた。

早く元気になってほしい。レイアさんの気持ちもわかる。けど……。

立場と感情との間で板挟みになっていたけれど、笑顔は絶やさなかった。

後世において、ニコの名前は様々な分野で語り継がれている。

魔法学の始祖にして、冒険者ギルドの初代マスター。最初のA級冒険者にして、凄腕の魔法使い。あるいは、その時代における随一の劇作家。

彼女が手掛けた『二人の英雄』の物語は、主人公たちの名前を変えてはるか未来まで上演されることになる。古典の名作だ。

結局、ニコが亡くなるまでに他のA級冒険者が現れることはなかった。


アルカナ・ミュスティカ

年齢――?

好きなもの――ご飯、お風呂、お酒

嫌いなもの――『終わり』

師匠のようなもの。

ミステリアスな魔法使い。人生いろいろ経験しているらしい。どんなことにも動じないけれど、感情がないというわけでもない。むしろ普段はよく笑うしよく泣く。アカデメイアの学園長をしている。各地から頭の良い人を集めて、集中的に研究や勉強をさせている。アカデメイアの学者が気難しい嫌な奴らばっかりなのはアルカナも気にしてる。でも、そのお陰でアカデメイアの名が轟いているので、人格か才能かどちらを選ぶかはすっごく悩んでいる。

『災害』の後は、レイアとメナの2人をアカデメイアで保護することで彼女たちの今後の方向性を決定づけた。何やらいろいろ隠していることがありそうだが……

帝国に赴いてからは、図書館に行ったり貴族との会談を行ったりしていて結構な多忙だった。竜に関する文献を読み漁ったり、竜の脅威を訴えたり。竜がポリスを襲うことなんて滅多にないから、今後何十年のうちに竜に対する警戒態勢を構築することを目的としていた。

一段落したのでロゴスへの帰路についていると、なんとまあ。竜が襲っていた。計画変更、竜狩りだ。その事による影響は終わった後で考えよう。

レイアちゃんとメナちゃんが居れば、なんとかなるだろうから。全てを話してあげるのも良いかもね。

望むように物事が進むなんて奇跡は無かった。幸福か。私には過ぎたものだ。

竜を狩って以降は、彼女自身の目的のために独りで行動をしている。

後世において、『傾世の魔女』の名前は現実に存在するものとして語られていく。災厄の具現、裏切り者。出会っても辛うじて逃げ延びた者たちによって、その特徴は語り継がれていた。

「ワインレッドの長い髪と、蠱惑的な甘い香り。どちらかに遭遇してしまったら、一目散に逃げろ」

何時まで経っても彼女は独り。親しい人を自身の手で殺すのはどのような気分なのだろうか。

――最悪だね。

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【完結】復讐で咲く百合は徒花 むあのむあむあ @espritdecorps

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