「使えない」と研究所を首になったので旅に出たら魔獣に懐かれました。

ぽちよん

第1話 研究所を首になった件について

「私ね、大きくなったらパパとママみたいな研究者になるの!」


「ですって、パパ」


「ああ、ほんとうかい?スピカ」


「薬草を使って、苦しんでいる人や動物を癒すの!それで、







みんなを笑顔にする!」




























あの頃の私は、夢へ真っ直ぐだった。ただただ、薬草研究者になることを考えていた。




ううん、「あの頃」じゃなくて、少し前までは、両親のような立派な研究者になるのだと、勉強に励んでいた。分からないところは両親に聞いたり、家にあった辞典を引いたりした。勉強は大変だったけど、勉強の癒しになるのもまた薬草で。家庭菜園で育てた薬草を煎じて飲んだり、ハーブをサシェにしたり。私は日々薬草に触れながら頑張ってきた。




その甲斐あって、家の近くの研究所に就職できたときは本当に嬉しかった。両親の研究所とは違うところだったけど、それでも同じ研究者としての一歩を踏み出せたのだと思うと、嬉しくてたまらなかった。




だけど。























「ハインズ、お前無能だから、首」











スピカ・ハインズ。

研究所で無能認定されて、無職になりました。

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「使えない」と研究所を首になったので旅に出たら魔獣に懐かれました。 ぽちよん @pochiyon

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