第8話 家康の野望

関ヶ原の戦いの2ヶ月ほど前だった、上杉家の討伐に会津に向かった徳川軍とそれに従う大名達は上杉討伐を中止し江戸に戻り、石田三成ら西軍と対決する事となった。

この時期東西両軍は自分たちにつく大名を誘い多数派工作に熱中していた、西軍は毛利輝元を総大将に推戴すいたいし、石田三成、大谷吉継、小西行長、宇喜多秀家らを中心に10万以上の勢力を集めていた。


家康と本田正信ら重臣達はどうしたら味方や内通者が増えるか連日、謀議ぼうぎを重ねていた。

ふと家臣がひとりやって来た、正信の家来で正信に耳打ちした。


正信は「そうか」とうなづいた後に家康に言った。


「殿、このものの話によると江戸市中で怪しい四人組を奉行が捕まえて、未来から来たなどと怪しげな事を言っておりましたようです。しかしその中のひとりの若い武者があの小林川秀秋と瓜二つなのだそうです。これは使えそうです」


小早川秀秋とは元々、豊臣秀吉の養子で秀吉の跡取り候補だったがあまり優秀でなく、秀吉に実子秀頼も生まれた事から、毛利家の一族の小早川家に養子にだされ小早川家の当主となっていた。


家康は含み笑いをしながら言った。

「そうか、その者たちを連れて参れ!」


カズノリ達は奉行所の牢屋に入れられていた。カズノリはデバイスを使って未来に帰ろうとしたが、未来の時代管理コードというものに引っかかって出来なかった。


四人は家康の前に引き出された。


家康は盛綱を見るなり

「ほー、これは全く小早川殿と瓜二つじゃ」

と言って驚いた。


心配症な秀秋は、裏切りをする約束を結んだものの不安で仕方なかった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

1600 いい国つくろう 関ヶ原ルーレット しーもあ @kazumi692

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る