第4話 ノーマルアタマ




「すみませーん。週刊GOODの者でーす。」


リコとコウキは渡辺健太の所属している芸能事務所へ来ていた。

都内の中心にある5階建てのビルの入り口を抜けると大きなエントランスがあり、所属している俳優、女優、モデル、アーティストなどのポスターや、今まで受賞した賞のトロフィーなどが飾られている。


「週刊GOODさんですね、本日はどのようなご用件で?」


さすがは大手芸能事務所の受付嬢。

見るからにモデルのような容姿に少しリコは嫉妬の気持ちを覚えた。


「あ、はい。現在体調不良で休養中の渡辺健太さんの近状をお聞きしたくお伺いいたしました。」


「あぁ。実は事務所からも何度か連絡をしているのですが、折り返しが無い状態でして、、」


「なるほど、、コウキさんどうします?」


「んーー。じゃあ名刺渡しとくんで、本人から連絡きたら名刺に載ってる連絡先に電話ください。やっぱ人気俳優さんなんでね、ファンの方達も心配してると思うんです。体調がどういう感じなのか分かればみんな安し、、、」


ドタドタドタドタ、、、


「あ!!あの、、!しゃっ社長は⁉︎⁉︎」


「ちょっちょっと、なんですか急に。

今僕たちが話してるんですけど」


「黙れ!いいから社長は⁉︎⁉︎

今すぐ呼んで!!!」


「あ、、は、はい!すぐお呼びします!」


受付嬢は驚きながらも内線で社長室に電話をかけ始めた。

その内容から今横に割って入って来た男が

渡辺健太のマネージャーである事に2人は気づいた。

すると2分もしない間に社長だと思われる少し小太りの男が頭を掻きながらエレベーターから降りて来た。


「なんだね君、私を急に呼び出して。

健太の家に行ってたんだろ?」


「は、はい。それが、、健太さんが自宅で遺体で発見されていまして、、、。」


「⁈い、遺体⁈」


社長のデカすぎる声がエントランス内に響き渡った。


「コ、コウキさん。」


「おーっと、なんか厄介なことになってるな。とりあえず現場行くか。」


























「わーーお。こりゃまたひでぇな。」


目黒区での殺人事件現場に来ていた

ノリムネ(ノリさん)とショウは

遺体の無惨さに絶句していた。

鑑識によると全身に19箇所の刺し傷

そして遺体の側に、回ると書かれたメモ


「ノリさんこれ絶対連続事件ですよ。」


「こりゃ捜査本部立ち上がるなぁ。

大掛かりになるぞ。」


「ご遺体の名前は?」


「えー。林マリコ21才、、あ、」


「どうした?」


「あ、いや、田中マオと同じ大学ですねこの子。」


「まじか?とりあえず2人の共通点を探ろう」


「そうですね、また大学に書き込みにいきますか。」












ノリムネは気づいていた。

一件目の田中マオの殺人事件の時。

田中マオは自分の息子の元交際相手だという事に。

そして今回殺害された林マリコ。

彼女もまた息子と仲が良かったことに。

そう。ノリムネの息子は

今回殺害された2人と同じ大学に通っていたのだ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

森田さんは何度か⚫︎す 與座 宙 @mimigo

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ