第3話 眠れぬ森の君のため





「回る。ねぇ。」


「どういう意味なんでしょうか。ただ単に田中マオのメモなのか、それとも犯人が残した何かしらのメッセージとか?」


「いやーー。わからんっ。

田中マオがわざわざ書いて置いたって線は無さそうだな。理由が見つからん。

犯人が書いて置いたって方がしっくりくるけどな。」


「うわーー。まじでわかんねぇな。

ノリさんとりあえず一服行きません?

あの遺体見た後にさらに謎のメモ書きの推理で頭パンパンですよ。」


「そうだな。」


「あれっ!なんか空気清浄機みたいなの付いてる!令和っぽいわぁ笑」


「なんかこの前設置したらしいぞ、あ、タバコ切れてるわ。1本くれ。」


「いいですよ。」


「ありがとう。ショウお前こんなキツイの吸ってるのか。」


「なんかどんどん上がっていっちゃって、

これくらい無いと逆に物足りないんですよねぇ。」


「俺も昔はそんくらいキツイの吸ってたなぁ。うちの女房がさ、息子生まれた時にやめろってうるさかったんだけど、せめてタバコだけは辞めさせないでくれって直談判したんだ。

そしたらじゃあタールだけ下げろってうるさくて。」


「そこで吸ってもいいって言うの優しいですね奥さん。ノリさんの息子さん確かもう大学卒業してましたっけ?」


「あぁ、去年卒業して今年から〇〇株式会社で働いてるよ。」


「えぇ!!〇〇株式会社って超有名じゃないですか!すげぇ。」


「ま、普通の生活をしてくれたらそれでいいんだけどな。」


「ノリさん!あ、ショウもいたか!

ちょうど良かった!

目黒区でまた殺人だ。

また例の、、」


「例の?」


「はい。回る。のメモが」


「分かったすぐ行く。」


























「あれ、コウキさんタバコ変えました?」


「あぁ、前のタールじゃ物足り無くてな。」


「なにその大学生みたいな言い方。笑

俺はタールキツイ方がいいんだよ的な?笑」


「違ぇーよ。ストレス?ってやつかな」


「へー。まっ私の吸ってるタバコの方がつよいですけどね!笑」


「、、、お前こそ大学生みたいじゃねーか。」


「それにしてもあの女子大生。やっぱり渡辺健太が殺したんでしょうか。」


「どうだろうな。ただ当日の舞台挨拶欠席。

そのタイミングで不倫相手の女子大生の死亡。まぁ辻褄は合いすぎだよな。」


「2人の間に何か問題でもあったんでしょうか?」


「さぁな、奥さんにこの事がバレてパニックになって不倫相手殺したとか、

離婚する、しない、で揉めたとか。

理由はたくさんあるんじゃないか?」


「浮気なんて。」


「なんだよ、さっきのまだ怒ってるの?

いじりじゃねえーか。ごめんて。」


「いえ、全然いいんです。

ただ、かわいそうだなって。」


「かわいそう?」


「はい。もし、もしですよ?

本当に渡辺健太が殺していたとしたら。

都合のいいように扱っていらなくなったら切り捨てる。かわいそ過ぎます。」


「、、、、まぁ有名人だ。

女遊びなんて俺らが知らないところでもたくさんあるだろ。」


「そうですね。」


「ほら、吸ったら渡辺健太の事務所行くぞ。

今どこにいるか取材しに行こう。」


「わかりました!車表回しておきます。」

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