第2話 ABCDC





「ノリさんこっちです!」


「ほーい。ありゃー、こりゃひでぇなおい。」


「ガイシャの名前は田中マオ21才

近くの大学に通ってるみたいですね

財布の中に学生証が。」


「女子大生か、よくもこんなに無惨に。」


「鑑識によると死亡査定時刻は

昨夜の23:00ごろ。凶器はまだ見つかっていませんがおそらくペティナイフかと。」


「防御創がこんなに。

だいぶ抵抗してるなこれは。」


「そうですね、首の切り傷が致命傷かと。

あっ。あとここ、口の中見てください。」


「なんだこりゃ。歯全部無いじゃん。」


「そーなんです。抜歯された後の血液と

腕や足、首の切り傷の血液の感じから

"殺害した後に歯を抜かれてる"みたいです。」


「って事はこの子から何かを聞き出そうとして尋問で歯を抜いた訳ではなくて

殺害した後に抜いた、、、

コレクションのつもりか?」


「猟奇的すぎますね。

今近くの防犯カメラを調べてる途中です。」


「了解。多分すぐ報道陣とか来るだろうから

早めに署戻るか。」


「分かりました!」








(警察署館内)




「にしてもさっきのすごかったですね。

僕あそこまでのご遺体初めて見ました。」


「確かに俺も歯全部抜かれてるのは初めて見たな。

ショウはどう思う?今回の事件。」


「んーー。

まだ鑑識が調べてる途中なんでなんともいえないですけど、田中マオには防御創が結構な数ありましたよね?

もしかしたら抵抗した際に犯人の腕を噛んだんじゃないですか?

殺した後犯人は田中マオの歯に自分の血液が付いてる事を危惧して抜歯したとか、、。」


「なるほど、いいねその線の可能性もあるかもな。とりあえず鑑識からの報告を待とう。」





















「ここだな。女子大生の家は。」


「うーわ、もうすでに何名かマスコミいますね。」


「にしてもこのタイミングで密会相手の女子大生が殺されるとは。

そして渡辺健太は舞台挨拶欠席。

なんか匂うな。」


「まぁその情報知ってるの私たちだけですから怪しんじゃいますよね。

とりあえず中は流石に見れないから

マンションの外観だけ写真撮っておきます。」


「そうだな。写真撮ったら警察に話聞いてみるか。」


「あのー。すみません刑事さん。

私週刊GOODの者ですー。

今回の事件の詳細とかってー、、少し教えてもらったりできます??」


「週刊誌?ダメダメ。まだ鑑識からも情報上がって来てないから教えらんないよ。」


「あー、マサトさん久々です。

俺ですコウキです。」


「おぉ、コウキ

え、このお嬢ちゃん相方?」


「そーなんですまだ新人で、手取り足取り教えてるとこです。」


「あ、リ、リコです。よろしくお願いします。」


「なるほどねー。

コウキの頼みなら、、ちょっとだけ教えてやるよ。

まだ細かい詳細は言えないんだけど

ガイシャの自宅に変なメモ書きがあってさ。」


「変なメモ書き?」


「あぁ。ノートの切れ端に」


「内容は?」



















「回る。って書いてた」





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