あなたは今
メープル
第1話 居なくならないで
『いなくならないで』
そう言って何回目?
貴方はいつも私を置いていくね?
1回目はなんだったっけ?ああ、そうそう王子様のあなたが私を迎えに来たね。初めての経験だったから驚いたよ笑
目にかかるほどの黒髪からそっと覗く青い目に心奪われたっけ。懐かしいなぁ。
2人で馬に乗ってさ、湖まで散歩したりしたね。
でも、貴方はすぐどっかに行ってしまった。
2回目は、なんだっけ。そうだ、お母さんが小さい貴方を連れて帰ってきた。さすがに連れて帰ってきた時は驚いたよ。だって、私の愛してた人の目と同じ目をしてた。貴方は変わらないね。小さい手で私に好きと伝えてくれた。でもまた置いていくのね。これで何回目かしら。
3度目の正直ってあるのかしら。私はもうずいぶん長い間生きたわ。今回は逢えないのかしら?
でも、驚いた。とうとう、夢の中でも私を惑わすのね。
いい加減、長い人生を私と歩んでよ。
n回目…
私はまた貴方のお墓の前でお話をするわ。
また置いていった。
『居なくならいでよ』
その3日後、とある墓の前で女性が倒れているのが見つかる。女性は結婚していない調べだったのに対し、彼女の左薬指には青いラピスラズリの指輪が光っていた。
あなたは今 メープル @nagi_1212
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます