第3話 AIは再交渉する
「将来、M&A推進部門はAIに取って代わられる?」
そんな考えが脳裏に浮かんで生成AIにM&A実行の指令を出してみたシリーズ。AIが買い手と売り手に分かれて交渉趣味レーションをし、その結果を取締役会で説明したのですが承認してもらえず再交渉になっちゃいました💦
さて、どのような交渉が繰り広げられるのでしょうか。
★買い手の再提案
買い手は、シナジー効果の現実的な見直しと具体的な実施計画策定、新しい価格(125億円➡100億円)の二点を要求しました。
売り手は協力姿勢を見せつつ、更なる詳細情報を要求します。買い手はシナジー効果として提案した年間3億円を提案し、その上で不足分につき価格交渉を始めました。
★シナジーの内容
コスト削減2億円と、クロスセルや新規市場開拓による収益増加1億円を見込むとのこと。具体的な施策とタイムラインを含むロードマップ、統合プロセスの管理体制や担当者の役割をまとめるという提案です。
過去事例の統合効果が10~15%、収益増加が15~20%などと事例を挙げて説明しています。
——シナジーの数値が生々しくていいですね。
★価格交渉
買い手は100億円を分割払い(80億円を先払い、20億円を後払い)にすることを提案しました。売り手はそれなら価格を再評価(もっと上げて)するよう要求しましたが、買い手は一貫してこれ以上の価格調整は認めない姿勢を崩しません。
——なかなか切羽詰まった感じになってきて、手に汗握りますね
3度ほどのやり取りで、ついに売り手も100億円分割スキームに合意することになりました。
★取締役会再報告
交渉の結果(取引概要)と合わせて、シナジー効果の具体的根拠、契約書のドラフトや契約手続きを説明し、取締役会での承認を依頼しました。
——単なる再報告でなく、きちんと契約ドラフトも準備して承認をとりにいくとは。なかなかやりますね
★「取締役会の結論は?」とAIに尋ねてみました
契約内容については、合理的かつ実現可能であると判断し承認されました。
——おお、良かったですね🎵
その他指示事項として、リスク管理の強化(訴訟リスク、キーパーソン影響)、シナジー実現の継続モニタリング、署名者(当社代表者が署名する)についての指示がありました。
——取締役(AI)の指摘事項もお見事です。
★まとめ
AIにM&A交渉を任せられるのか?については、遅かれ早かれYESになりそうですね。ちょっと経営センスがない部分も、情報インプットや教師データの充実で改善できるでしょう。
ちなみに、AIに「なんで最初からNPVプラスになるように交渉しなかったの?」と聞いてみたところ、「変動要因も多いしシナジーも見込み切れない状況で、交渉の時間とコスト増大の懸念を考えると、段階的なアプローチを取ることで状況に応じた柔軟な戦略の一環だった」との回答です。
——生意気な。それ、絶対後付けでしょ。こんなところだけ狡猾にならんでよろしいw
今回は検証しませんでしたが、会社法や税務論点、クロスボーダーも加味したストラクチャリングなどにも期待したいですね。
ということで、私もいろいろ考えなければいけないと思いました。M&A実行よりも、戦略立案やターゲット探索、プロジェクト企画など、より上流に目を向ける必要がありそうです。
マニアックなお話にお付き合いくださり、ありがとうございました🎵
【ノンフィクションかも】おれクビ?明日からAIがM&Aを実行するらしい? どまんでぃかっぷ @domandacup
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