ストーカー
大星
ストーカー
仕事から家に帰る途中、今日もいつも通り行きつけのコンビニに寄った。今の仕事についてからは毎日晩御飯を買うため、このコンビニに行く。
店内に入り晩御飯をレジに持っていくと、先に女性がいた。あまり見かけない女性だと直感で思った。
会計を済ませ、コンビニを出る。時計を見る。十一時。コンビニから自宅までは歩いて五分。
少し歩き、家が見えたところで後ろから声をかけられた。
「すみません」
振り返ると先ほどコンビニにいた女性がいた。
「どうしましたか」
「あの、さっきから男の人につけられている気がするんです」
周りを見る。女性の数十メートル後ろに男がいるのが見えた。
「ちょっと話してきます。ここにいてください」
隠れている男のほうへ向かう。
「すみません、あの女性があなたにつけられているといってるんですけど」
向こうにいる女性を指さす。
「つけられてる?僕そんなことしてませんよ。ただ歩いてただけですよ」
男は女性のほうを向く。明らかに動揺していた。
「でも、彼女がそうやって言ってるんだから............」
僕が彼女に目を向けている間に男はいなくなっていた。
周りを見ても男は見当たらず逃げられてしまった。
「話したんですが、そんなことしてないって」
「いや、でも明らかにつけられてる感じがして......怖いです.........」
「もしあれだったら、僕が家まで一緒に歩いていきましょうか?」
「それは.........申し訳ないですよ」
「いえ、全然大丈夫です。いきましょう」
「じゃあ......お願いします」
女性に住むアパートに向かう途中、怪しい影は見当たらなかった。
「本当にありがとうございました」
「もしまた危険な目にあったらすぐに言ってください」
家の前で女性と別れた。
今、私は昨日の女性の家の前にいる。
朝食の準備をしているときに不意に昨日の女性のことを思い出し、心配になったのだ。女性の様子を見るため、今日はいつもより早く家を出た。
しばらくして、昨日の女性が出てきた。出てきたからと言って別に声をかけはしない。声をかけに行ったことで、自分がまだ心配されていると思わせたくなかったからだ。
女性の会社まで見届けたが、別に怪しい影は見られなかった。安心し、自分の会社へ向かう。
今日は早く仕事を切り上げた。女性の会社へ向かうためだ。
午後十時半、女性が会社から出てきた。あとをついていったが今日はコンビニには寄らなかった。
家に着くまで様子を見ていたが、あとをつける者はいなかった。
女性の様子を見て三日がたった。今まで怪しい影は見つからなかった。もういなくなったのだろうか。
今も女性が家に着くまであとを追っているが、怪しい影は見つからない。
不意に肩をたたかれた。
振り向くと見知らぬ男が立っていた。
「すみません、あの女性があなたにつけられているといってるんですけど」
ストーカー 大星 @bigworld
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