斗真の日記
心境
日記を書こうと思う。
とはいっても日付なんか付けないただただ俺の心境を書きなぐるだけだけど。
明後日はなんと体育祭、目一杯楽しむしか無いよね!
なんでこんなタイミングで日記を付け始めたのかは俺にもわからない。
だけどなんか書きたくなっちゃったんだから仕方ないよね、うん、しかたないしかたない。
明日も学校で大和と喋れるといいな。
夜も遅いしもう寝ようかな、なんてこれ読むのは自分だけだからもう寝ようかななんて意味無いにもほどがあるけど。
おやすみなさい。
ーーーーーーーーー
明日は体育祭...なんだけど大和と付き合ってることをうっかり言ってしまった。
そんなドジを踏んだからこそなのかはわからないけど親父の愛の深さを改めて感じることができた。
できの悪い息子でごめんよ、父さん。
そりゃ母さんの言い分もまぁわかるけどさぁ、息子がいきなり男の子と付き合ってますって言ったらそりゃびっくりするだろうけど...
いや、それにしてもあり得ないは言いすぎじゃない?
どんな可能性だって0じゃないんだから。
明日は体育祭当日、大和が頑張ったらご褒美と称してキスかハグかしてあげようかな。
本当は俺がしたいだけだけど。
こんなこと書いてる日記絶対誰にも見せらんねぇ。
書いてる今も羞恥心に殺されそうなのに誰かに見られたら爆発四散するわ。
明日もいい日になるといいな。
ーーーーーーーーーー
最悪。
本当は日記も書きたくないんだけど俺がもしこの世からいなくなる選択をしたときのためにも心境と今日の出来事を書き残しておこうと思う。
借り物競争でお題が恋人もしくは好きな人だったから馬鹿正直に大和を連れて行った。
あいつ、あのクソ野郎。
鈴木、あいつが俺等の関係を否定しやがった。
今になって怒りが湧いてきたけどその時はショックとかつらさとか驚きが先行しすぎて起こる気になれなかったな。
言いたいことだけ言ってもうしばらくは学校休も。
大和に会えないのが一番つらいけど、学校にはもう行けないや。
ごめんね大和。
多分俺、そろそろ死んじゃうんだろうな。
ーーーーーーーーーーー
鈴木、お前は何をしに俺の家に来たんだ。
俺の心の傷を抉るためか。
俺の大和を傷つけるためか。
俺らの関係を、存在を否定するためか。
口先だけでは謝っておいてちょっと煽られたらすぐに本性を出す。
お前ほど先生に向いてない先生初めてみたよ。
ボイスレコーダー回されてることにも気づかずにべらべら馬鹿みたいに自分が優位だと思ったら喋りだしやがって、人間のクズじゃねぇか。
生徒を弾圧するのが先生か?
生徒の心を踏みにじるのが先生か?
生徒から自由を奪うのが先生か?
先生の評価を落とさないために使われるのが生徒なのか?
生徒は先生のサンドバッグなのか?
ストレス解消グッズじゃねぇんだよ。
こっちだって人間だ。
イラつきもすれば悲しむこともあるし笑ったり喜んだりもする。
それこそストレスだってたまるさ。
鈴木、お前は一体俺等生徒をなんだと思ってんだ?
大和に色々言ってもらって幾分メンタルはマシになったが全然日常生活が送れねぇ。
本当にどう責任取ってくれんだよ、あの野郎。
ーーーーーーーーーーー
校長が来た。
どうせ保身しか考えてないだろと思いもう無視することにした。
しばらくすると警察官が来たので対応するとどうやら校長が俺の家の前に座り込んでたらしい。
そのまま逮捕されればいいのにと思ったが大人しく帰ってくれたので何事もなかったかのような1日が始まった。
そんなことはどうでも良くて俺は今日大和とキスをした。
なんかよくわからないこともされたけど大和の匂いがして暖かくて気持ちよかったからもうなんでもいいやってなってる。
これ以上書くと悶えすぎて死にそう。
あ、あともう1つ書かないと。
俺は明日、大和と一緒にだれも知らない場所へ2人で家出します。
俺も大和も限界なんだね。
一緒に死ぬよ。
この腐った世界から逃げ出して2人だけの楽園を作りに行くよ。
もう絶対俺と大和の邪魔は誰にもさせない。
ーーーーーーーーーーーー
もう最後。
今日の夕方には家出決行だ、この日記が約にたつかわからないけど宵待に隠し場所を教えておく。
きっと宵待なら俺の遺志を汲み取ってくれるだろう。
けどここにも書いておく。
これとボイスレコーダーを警察に持って行って、鈴木たちを社会的に殺してほしい。
お願い。
それじゃあね。
ーーーーーーーーーーーーーー
自由を求めて 雪水 @Maple1003
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます