第4話 勇者を助けにい~かない!

「いや、行こうよ」


 おっ、灯ちゃん。とうとう、サブタイにつっこむ様になりましたね。パチパチ。


「嬉しくないよ。何、そのサブタイって」


 はぁ~。サンマ定食にしとけば良かった。


「会話の脈絡!」


「私の生姜焼きは、美味しかったですよ」


 それ! ナイスチョイスでしたね、高橋さん。


「無視すんな!」


 だって、せっかく女の子だけのパーティーなんですよ。男の子が加わってハーレム化するのは、ちょっとねぇ~。


「あんたAI的な何かだろ! 性別なんてあんのか!」


 いやですね、私はめが。違った、常に心は女の子ですよ。


「はぁ、もう良いよ女神様。とっとと場所を移してよ」


 なんで、私がそんな事を?


「あんた、私をさんざん連れ回したろ! 今度もパパッと移動して、宮本君を助けようよ」


 え~、粘土臭い。


「粘土かよ! 手が油まみれかよ!」


 え~、あんこ臭い。


「甘くすんな!」


 え~、うんこ臭い。


「急な下ネタ止めろ!」


 それより、高橋さん。攫われたのは、遠藤君だけですか?


「宮本君な!」


「攫われたのは、遠藤君だけですよ」


「高橋さんは乗るな!」

 

 じゃあ、藤村君だけ現代に送り返しましょう。


「なんで! 私達も帰してよ!」


 いやですよ。ち〇こ臭い。


「だから、下ネタは止めろ! もう、面倒臭いからだいぶ遠ざかったよ!」


 灯ちゃんってば、宮本君を随分と庇うじゃないですか。


「だって、クラスメートなんだよ!」


 仲が良かったんですか?


「いや、話した事ないけど」


 では、高橋さんは?


「私も話した事がないです」


 では、宮本君はボッチ決定ですね。


「宮本君の何を知ってんだ!」


「そうですよ。クラスで人気者だったかも知れないです」


 そうなると、お二人がボッチって事ですね。や~い、ボッチ~!


「うっさい! 悪かったね!」


 それより、アリヒリカッザに行きましょう。港町ですから、天丼が食べ放題ですよ。


「食欲旺盛か! 食レポでもすんのか!」


 良いですね、食レポ。今後はその方向で。


「しないよ! そもそも、あんたの食事は怪奇現象なんだよ!」


 何故です?


「だって、空中に食べ物が消えていくんだよ。これをホラーじゃなくて、なんて言うのさ!」


 そりゃあ、私は人の目には見えないですからね。


「見える様にしとこうよ」


 良いんですか? 目が潰れますよ。


「なにそれ、怖い!」


 人は神様を見ると、神々し過ぎて目が潰れると聞きました。


「自分が女神って認めちゃってるよ!」


 そんなこんなの間に、宮本君は日本に帰りました。


「え? いつの間に?」


 え、じゃないですよ。「見える様にし」の辺りで、日本へ帰したんです。


「絶妙なタイミングだな!」


 有能ですから。


「じゃあ、私達は?」


 帰れませんよ。あぁ、高橋さんだけなら帰してもいいです。


「なんで私だけ?」


 だって、災害指定怪獣ですし。


「誰が怪獣だ!」


 自衛隊が出動しますし。


「出動させんな!」


 米国海軍も応援に駆けつけますし。


「大事だよ!」


 だから、帰れまテン。


「何かの番組みたいになっちゃったよ」


「でも、私だけなら帰してくれるんですよね?」


「おい! 独りだけ帰ろうとすんな!」


 良いですよ。高橋さんってば、案外役立たずだったし。


「役立たず言うな!」


 さぁて、勇者もいなくなった事ですし、人間を滅ぼしましょうか。


「止めろ止めろ! 怖い事を言うな!」


「さぁて、私は寝る準備っと」


「寝るんかい!」


「だって、もう夜ですし」


「だから、時間の感覚!」


 そうですね、寝ましょうか。人間を滅ぼすのは、明日の朝って事で。


「だから、滅ぼすな!」  

 

 さて、次回は『高橋さん、日本へ帰る』と『宮本君は?』の二本立てです!


「次回予告をするな!」


「はぁ~あ。粘土くさ!」


「あんたもか! やってられんわ!」 

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なんか魔王を倒したんだけど、この後はどうしたらいいんでしょう? 東郷 珠 @tama69

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