プロローグ2「先輩の希望になるのなら」

途端じっと二人で見つめ立った。

 先輩は涙の跡と赤面した顔を見せた、やけに色っぽい。

 正直自分もかなり赤いと思う。

「な、ならそれこそ僕がそばにいますから、ハグしたい時にいっしょにハグしますから!僕だって先輩のことが大大大しゅきんですから!」

 強張って言ったせいで、大切なところを噛んでしまった。

 先輩はさらに顔を朱に染めて耳まで赤くして。

「ぷっ、ははははは!なに?僕も大大大しゅきって!」

 その顔から一気に腹を抱え込んで笑い出した。

「しょうがないじゃないですか!だって緊張したんだもん!」

 そう言ったらもっと笑い出した。はいはい初めてだもんねーとか色々子供扱いしてきて、少しイラっとするだけどこれも悪くはない。先輩っぽい、というか先輩だ、これが僕の惚れた先輩なんだ。

「まぁ、それはいいとして、よく頑張りましたね!なんか色々晴れてきた、そうだね、後輩くんの話聞いてるともっと生きたくなってきた!よし、最後の最後まで楽しむぞー!悔いのないようにするぞー!あ、あと、付き合ってあげてもいいよ?」

 気分が好調したのか、ノリノリだ、それもまた可愛い、楽しく最後まで生きて欲しいという願いが叶う一歩前に前進したのだから。

「な、なら、よろしくお願いします。」

「あ、だけど猶予付きね?」

「え、猶予?なんで、」

「後輩くんが今後生きていくためだよ。いずれ私以外の子と付き合って結婚して子供作って育てるかもしれない。だから、一年!。楽しも?」

「わかりました、本当は永遠に隣にいたいですけど、我慢します。じゃあ改めて、よろしくお願いします。」

「よろしくね」

 

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少しずつ死ぬ病と君と僕。 林 林 @hayashi_rin

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