ライフ・ザ・アイランド

@Nicorisan

第一章 ここはどこ?

 そこは、奇妙で興味深い空間だった。

 エレベーターの様に下へ下へと降りていく。

 見たことのない奇妙な壁の模様。

 見たことのない奇妙なポスター。

 その空間には、1人の人影が見えた。

 普通の体系をした50代くらいの仮装をしているかのような見た目だ。

 ハロウィーンの様な服装で頭には斧が刺さっている男性。

 どうやらその男の人は出口を見つけようとしているらしい。

下へ下へとどんどん降りていく空間。男性の目の前にはガラスで外が見れるドア。男性の後ろには鏡。

 男性がドアの左側の真ん中に付いているドアノブを手でつかみ、押して、引いて、押して、引いて、何度やってもドアは開かない。

 その時、ガタンと大きな音を立ててこの空間の動きは止まった。

 ドアが独りでに開く。男性は恐ろしいものを見ているかのような顔でぼうぜんとしている。

 ドアの先は、門があり、そのまたその先には、何千何万いるのかわからないほどの人がいて、ハロウィーンの日の様に賑やかだった。みんなは仮装をしているかのような傷が大量にあったり、上半身上が無かったり、本当に色々な人がいた。

 門の手前にいる人は、みんな状況が理解できていないようだ。しかし、門の手前にいる人も、仮装をしているかのようだった。

 男性は、驚きながらも前へ慎重に進んでいく。

やっと門をくぐった男性。すると、体全身が針で刺さっている人が話しかけてきた。

「君新人?まずはあそこの人は案内人だから、その人に色々教えてもらいな。あと、一つアドバイスすると、友達は早めに作っといた方がいいよ。」

男性はおじぎをしてその場を去る。

どうやら指をさしていた方向の人は案内人らしい。

 男性がその案内人の場所まで周りを警戒しながら歩いていく。

案内人が男性の存在に気付いた。

「新人の方ですね。死後カードはお持ちでしょうか?」

男性はまたもや呆然としている。男性は今まで自分が死んでいることを知らなかったからだ。男性はやっと口を開いた。

「死後の世界ということは、つまり、私は死んだんですか?」

「はい、ここにいるのなら、そういうことになります。死後カードはお持ちでしょうか?」

 男性が気づかないうちに手にその死後カードを持っていたのだ。

男性がその死後カードを案内人に見せる。

「死後カードはお持ちですね。あだ名をうかがってもよろしいでしょうか?」

男性が少し驚いている。自分の名前ではなく、あだ名だったからだ。

「は、はい。あだ名は「ヨッシー」です。」

少し恥ずかしそうな男性。

「では、まずこちらに来てください。」

案内人についていく男性。

男性は驚いた目で進行方向を見つめる。

 その先には、体に何かが刺さっているような人しかいなかったからだ。

「すみません。死んだ人がみんな体に何かが刺さっているのはなぜですか?」

「ここにいる人たちは、体に何かが刺さって死んでしまった人たちが集まる場所です。ほかにも、病気で死んだ方、落下して死んだ方など、色々あります。体に何かが刺さって死んだ人もその一部です。そのルールを破った事件がありまして、落下死の方が病気の方々のいる場所へ不法侵入し、地獄へ送り出されたことがあります。」

男性は驚いたような様子で話す。

「地獄って、永遠に地獄に閉じ込められちゃうんですか?」

「いえ、どんなことをしても、地獄にいる期間は1年になります。地獄に行った回数を、死後カードに書かれるので、受かれる仕事も減ることでしょう。ヨッシーさんも、地獄へ行かないよう気を付けてください。」

「え、あのどんなことをしたら地獄へ連れていかれるんでしょうか。」

「現代にいる人が、死後の世界へ不法侵入。その場合、現代にいる人が、地獄へ送り出され、1年後にもう一度に1年前の元の世界へ送り出されます。別の死に方の方々への不法侵入。消えた後からの不法侵入。そのほかいろいろです。」

頭をかしげている男性。

「あの、消えた後からってどういうことですか?」

「誰にも忘れられてしまうと、消えてしまいます。なので、友達を速めに作った方がいいですよ。ちなみに、消えてから100年たつと、元の世界へ、0歳から始められます。消えた時の世界は、何もなく、誰もいなく、自分一人だけの真っ暗な世界になります。消えた人はそれぞれ別の世界の消えた世界へ送り出されますので、一緒になることは絶対ありません。」

なんとなくこの世界についてわかってきたような気がする男性。



   これからどんなことが起こるのかは、理解できてなかったようだ。

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