カツカレーとアイドル
星咲 紗和(ほしざき さわ)
本編
小さなライブハウスの舞台に、彼女が立った。名前は遥。彼女は、目を引くカツカレーのイラストがプリントされたTシャツを着ている。そのTシャツが示す通り、遥はカツカレーをこよなく愛していた。ふわりとした笑顔と、優しげな瞳はまるで清楚な少女のようだが、その胸の奥にはカツカレーへの情熱が燃え盛っていた。
初めてのライブには、たった4人の観客しか集まらなかった。控えめに手を振りながら、遥はマイクを握り締めた。観客の反応は冷たく、遥のカツカレーTシャツにも苦笑が漏れるほどだった。しかし、遥はその視線にも動じず、歌い始めた。
「カツカレーが好き、毎日食べたい、香ばしいカツにカレーのルーをかけて…」
彼女の歌声は、ステージの小さな空間に響き渡った。可愛らしいメロディに乗せたその歌詞は、まさにカツカレーへの愛を全力で伝えるものだった。観客たちは、初めて聴くカツカレーの歌に驚き、笑みを浮かべた。
ライブが終わった後も、遥はカツカレーに対する情熱を絶やすことはなかった。ライブ後には、自ら作ったカツカレーを観客に振る舞うこともあった。彼女のカツカレーへの熱い愛は、少しずつ観客たちに伝わっていった。
やがて、口コミで遥のライブの噂が広がり、次第に観客は増えていった。最初は奇妙なアイドルと見られていた彼女だが、その純粋な愛と情熱が徐々に人々の心を動かし、共感を得るようになった。そして、彼女が歌う「カツカレーの歌」は大ヒットし、カツカレーアイドルとしての地位を確立した。
遥は、ステージの上で微笑んでいた。彼女の前には、以前とは比べ物にならないほど多くの観客が集まり、全員がカツカレーTシャツを着ていた。遥の夢が叶った瞬間だった。カツカレーへの強い愛が、人々を繋げ、遥を大きく成長させた。
そして、今日もまた、遥はカツカレーの歌を歌う。愛するカツカレーとともに、遥の夢はこれからも続いていくのだろう。
**終わり**
カツカレーとアイドル 星咲 紗和(ほしざき さわ) @bosanezaki92
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます