夢と現実(2023/12/4)

 ある夜、私は夢を見た。

 そこでは、私はお姫様。


 豪華なドレスに身を包み、

 宝石みたいなケーキを食べる。


 お城のみんなは、私にお辞儀し

「姫は今日もお美しい」と言ってるの。


 そして、朝がやってきて

 私は夢から目覚めたの。


 そこでは、私はただの少女。


 お姉ちゃんのお下がりの制服を着て、

 ちょっと味の薄い豆腐の味噌汁をすする。


 母さんは笑いながら

「まだ寝癖がついてるよ」と、私にブラシを差し出すの。


 夢の私もいいけれど、

 こうして家族と朝ごはんを食べてる私だって悪くはないわ。


 そんなふうに思える私のことが、

 私はけっこう好きなのだ。

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「おやすみ」前に、なに書こう? 芝草 @km-siba93

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