第58話  4カ国連合軍

新人冒険者と思われるパーティーを引き離したときにそのパーティーが居るだろう辺りから悲鳴と怒号が聞こえて来た。

トオルは自分に隠蔽魔法を掛けてその場から垂直に上空へと飛び上がった。そして騒がしい方向を見る。


そこには魔狼や魔蜥蜴に乗ってトオルを追いかけているのだろう4カ国の軍隊があの新人冒険者達を蹴散らし踏み潰して駆けてくる。誰も冒険者を心配しない。手当をしようともしない。

トオルは思わずそいつら兵士達を亜空間に放り込んでいった。

4カ国連合軍と思われる兵士達は、知らぬ間に広大な荒野に放り込まれていた。そこは草木も生えていない土と石ころ岩と砂だらけの世界だった。


4カ国の兵士達が魔狼や魔蜥蜴を飼い馴らしたとは聞いていない。おそらくは邪神の手助けだろう。

トオルは怒っていた。自分とは関係も無い新人冒険者を傷つけるなんて許せない。滅ぼしてやる。国王とその取り巻き、諫めもせず国王の狂った野望を応援したり勧めたりしている奴らも同罪だ。

トオルは結界の発動して拡声魔法で民衆に告げた。

「俺の名はトオル。ミレーナ女神の手助けをしている者だ。俺はアクーノ王国、ヒキーヨ王国、ヒビーテ帝国、クアンコン王国によって殺されようとしている。だが大人しく殺されるつもりは無い。現在俺を襲った4カ国連合軍は亜空間に閉じ込めている。

これより2日後に王城を破壊する。よって俺に敵対する意思の無い者は直ちに王都を去り可能ならば先ほど言った4カ国以外の諸国に逃亡し、亡命を願ってくれ。ミレーナ女神によって周辺諸国に話しはついている。言っておくが悪者はこの国から出られない。

俺や俺の仲間ミレーナ女神に敵対する心を持つものは国王と同じ道を辿ることになるだろう。

期限は明後日昼12時だ。それまでに善人の諸君はそれぞれの国を出るように。軍隊を捕虜にしている証拠に4カ国それぞれに気を失った兵士を転送する。因みに国籍はごちゃ混ぜだ。どっちみち明後日にはどの国にいても死ぬか半殺しの目にあうことになる」


トオルの演説が終わると同時に亜空間の中で電撃魔法によって気絶させられた連合軍兵士共が空間からボトボトと落ちて来るのを目撃した国王や帝王は恐れおののいて逃げようとしたが結界が張って有って城から逃げることが出来ない。

これから明後日まで死の恐れに何も出来ずに震えていることになった。


約束の時、彼の4カ国の王城帝王城に巨大な岩石が降り注ぎトオルに害なす者共の姿は消えた。壊れた城のガレキの下に埋もれたのか?それとも?

運良く城の外に居た敵意有る者達に強烈な雷が落ちて大やけどを負い手足がマヒし、脳が損傷する者も居た。


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