第15話 アテルイ村に帰る
米、味噌、醬油を入手出来たのでモスタの森の自宅に転移して戻ってきた。自分んちの安心感安らぎ感はまた特別だ。
今日は風呂を作ろう。試しに浴室セットを召喚出来ないか試してみたが駄目だった。
調理器具だけしか召喚出来ない様だ。仕方ないので浴室を増築して広めのバスタブを設置しておく。森に自生している檜を加工した豪華檜ぶろだ。
ワイルドベアの魔石を使って水魔法と火魔法も組み合わせてシャワーも使えるようにしてある。汚れた水は地下タンクに流し、浄化した後で綺麗な水を川に流すようにしてある。当然ながら洗剤の成分も消滅させていて、そのままでも飲めるほどだが川の豊富な水量で、何万倍にも希釈させるのだ。
1風呂浴びた後に手に入れて来た黒瓢箪の苗木を植えて、シットパンプキンの実を時間を早めて完熟させて種子を取り出して蒔いておいた。
糞カボチャと言う名前は気に入らないので【味噌の実】と付け替えた。気分的な問題に過ぎないのだけれどね。
一服してからもう1度シャワーを浴びてアテルイ村に行くことにした。森の出口まで転移した後村の入り口まで徒歩で向かう。やっぱり村はずれにでも我が家を建てよう。
今更だけどこの村に教会は無い。村の結婚式や葬式の神官の役目は村長さんが請け負っている。女神の神託を聞く巫女の役目も村長さんの役目だ。逆に言えばその能力が無いと村長に成れないらしい。今の人口約300人だからそれで勤まっている。
今後人口が増えたら教会も必要になるだろうし巫女とか聖女とか神官が居ないといけなくなるだろう。だがそういうことは村の偉い人たちに任せておけばよいことだ。
村に入る手前の道路から離れた場所に新しい自宅を建てるのに適した土地を探しながら歩いた。村に来る時の転移の為の家を建てたい。
直接村の中に転移すると門番さんが気が付かないままになって後で問題ごとに成ったら嫌だから村に入る時は正式に入口から門番さんに挨拶してから入りたいのだ。村から出る時もしかり。
村の入り口で門番さんに挨拶して村に入り村役場に向う。
米味噌醬油を手に入れたことを報告して村の人達に米味噌醬油を使った料理をご馳走したいと言って明日の午後に役場の集会場に集まってもらう事にしたかったが明日だと急すぎて集まれない人も居るだろうからせめて6日後以降にして欲しいと言われた。
それまでは料理の作り置きと畑仕事を進めておくことにする。
今日は村市場と魚市場を覗いて食材を買い足しておく。ついでに
商業ギルドにも顔を出しておく。
出汁用に鰹節と煮干し、昆布を買って、味噌汁用にワカメも買った。
醬油を売ることを考えると果実のままよりガラス瓶に入れた方が良いだろうと思い、てごろな大きさのガラス瓶を探した。1リットル瓶と2リットル瓶が見つかったが食卓に置く醬油差しに使えそうなものが無かったので錬金術で作ることにした。
試しに料理用器具召喚出来ないかやってみたらガラス製、プラスチック製、陶器製の醬油差しを買えた。比べてみると陶器製がこの世界に合っている気がしてそれをモデルにして作ってみることにした。森に陶器作りに適した土が無いか探して回った。見付からなくても通販で購入出来るみたいだ。
ガラスの原料を採取した山で、その土は見つかった。100㏄入る容器を作って試験的に使ってみた。上手くいった。液漏れもしない。急須の蓋みたいな蓋を作って醬油を足しやすくした。
50個作って醬油を入れて保管しておく。
味噌も醬油も無かったこの村の汁物は出汁は効いているが塩味の小魚が具の,いわば
で、今回の試食会にはホウボウの刺身とほうぼうの味噌仕立てあら汁を出すことにした
そうそうやはり美味い黒ソイの刺身とあら汁薄口醬油仕立ても作っておくか。
そして漁師村の人達にはサバの味噌煮も覚えて貰おう。
俺は着々と試食会の準備を進めて行った。
そして忘れていたのだがマジックバッグに転送機能をつけなければいけないんだった。
時空間魔法と付与魔法でなんとかならないだろうか?
アドレスはどうするかバッグそれぞれにロットナンバーを付けてそれをアドレスにして、いつも使う人の名前を付け加えればいいか。後は転送物のリストを表示させて個別に送るか、纏めて送るか選べるようにしておく。
そのプログラムは魔石を粉々に砕いて、接着剤を練りこんでプレスして板状に加工した物にプログラムを記憶させた魔法陣を書いて(彫刻して)、壊れないように保護する工夫をしたらバッグの内側にくっつけて置いて、バッグの口を開けた時に収納、取り出し、転送のどれかを選んで機能を発動させるようにする。後で追加機能を付けれるように魔法陣に余裕を持たせておくことにした。
後は実際に作成して使いにくい所を直していこう。
俺は作成を開始した。
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