第8話 特訓特訓また特訓

醤油かも知れない木の実の確保のためにカンセコ領内の【ワ村】に行く為にドラゴンに遭遇する恐れがあると冒険者のドワースイングさんに言われたので飛んでくるドラゴンに対抗できる攻撃力を身に付けようと、まだ使ったことが無い【投擲】のレベルを上げるべく特訓している。

最初はその辺に転がっている石ころを拾って投げてみたが、形がいびつな為かあらぬ方向に曲がって飛んでいく。

だから岩から真球に近い球を錬金術で作り出した。滑らないように適度な摩擦を持たせて有る。握り方によっては上から下に急に落ちたり、横方向に曲がったり出来る様にした。これで避けたと思った次の瞬間横からの衝撃を受けることになるだろう。

衝突した時の衝撃がもっと増すように、石や岩じゃ無く

鉄球を作った。以前から鉄鉱石を探して採掘しておいた。

それを今こそ生かすべきだ。投げやすい大きさを決めて摩擦を付けて500球を作って置いた。敵は1匹だけとは限らないし、百発百中とはいかないしね。

更に投擲には大きなモーションが必要だ。見切られるとよけられる恐れがある。


そこで【指弾】を特訓した。

【指弾】とは【デコピン】する格好で親指の腹に弾丸の鉄球を乗せて人差し指とか中指とかではじきとばす。

ためしてみると中指で弾くのが1番攻撃力が強かった次が薬指、人差し指、人間にデコピンする時は1番弱かった小指にすることに決めた。でないと相手の顔がはじけ飛んでしまう恐れがある。小指には【手加減】の魔法付与をしておいた。デコピンで殺人犯になんかなりたくない。この【指弾】は鳥などの狩りにも使えるので百発百中目指して猛特訓した。おかげで飛んでいる鴨の頭だけを消し去ることが出来るようになった。玉の大きさも直径1mmから10mmまで1mm刻みで作っておいた。敵の強さに合わせて使い分ける。


接近戦になった時に備えて、ジャンプ力や俊敏性も大幅に向上していると思う。それに【転移】を加えて、敵が俺の動きを予測できない様に鍛えていった。


剣の強度も心配だ。ドラゴンの鱗は鋼の剣さえ弾いてしまうほど

頑強だと聞く。だから土中に含まれているミスリル紛を集めまくってメッキじゃないミスリル100%の剣とナイフを作っておいた。何時でもマジックボックスに入れて置いて瞬間的に取り出せるように仕掛けしておく。


そして最後に武器を失ってしまっても大丈夫なように徒手空拳での戦いを想定してキックやパンチだけじゃなく、デコピンで岩をも砕くようになっていた。


その合間にギルドに卸す肉や胡椒を沢山採集して半年分を貯めていた。診療所に納めるポーション、薬を作り溜めて、いよいよワ村への旅に出ることにした。


関係各所へ品物を卸し、時間停止のマジックバッグに入れて渡した。時空間魔法を使えるようになって作ったマジックバッグだ。


「これらが無くなる前には帰れると思いますので宜しくお願いします」

と挨拶して村から初めて出る旅に出発した。

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