死神は赤い林檎を咀嚼して

人生の大殺界の最中に、
「ヒト」に裏切られ「社会」に突き放され「病理」に侵されていく逸話。
記憶の片隅で、メビウスが灰になっていく。

「死にたい」「殺して欲しい」は同義のようでニュアンスは違う。
死神との関与、舞踏を望んだ主人公は
「死亡」「殺害」の二択だったら
「死亡」を望んでいるように思えた。

「希死念慮」をかつて抱いた私も痛い程に解る。
狂おしいほどに純粋で、闇のように深い諦め。子規よりも死期は近いか?