記憶に色が付く

「これが、悲しみと呼ばれる。感情の一つ」アイは、ヴィルにメモリーチェーンで

 ヴィルの記憶を共有した。その後の事。透明な糸のような形のメモリーチェーンを

 左手の親指と一人差し指と摘まみ。トコトコと歩く姿は、幼い子供のように

 周囲からは見えた。「どうして、こんなに心が悲しいのだろうか・・・・・・

 カエデさんが、いなくなったから?それとも、自分の気持ちをカエデさんに

 言わなかったから?」何度も、ヴィルの記憶を自分の脳内で再生する。

 アイは、悲しみの感情を深く理解したいと思っていた。すると、そこには

 見慣れた。ローブを纏った。あのおじいさんが、アイに声をかけた。

「いや、お嬢ちゃん。ごきげんよう」「あっ‼あなたは・・・・・・」

ローブを纏った。老人の男は、アイに他人と記憶を共有できる。

メモリーチェーンをあげた人物だ。「どうしたの?何かを考えているみたい

だねぇ~」上機嫌そうにアイに話しかける。するとアイは「教えてほしいの」

「何を?」「今の私は、悲しい気持ちがわかる」「そうかい。そうかい」

 ローブを纏った。老人の男は、アイにたいして。まるで、孫の話を

 聞くように。アイの話を聞いていた。「どうして、悲しいのか。

 私にはわからない。でも、とても悲しいの。胸が締め付けられるくらい。

 苦しくて、苦しくて堪らないの」アイは、自身の胸を両手を握りしめるように

 する。「この悲しみは、いつまで続くの?」アイの問いに、老人の男は

 優しく答える。「君が、たくさんの人の感情を知る事ができれば。

 きっとその悲しみの本当の意味が解ると私は思う」老人の男の回答の理解が

 できない。アイは、小首を傾ける。すると、老人の男はアイが持っている。

 メモリーチェーンに自身の指をぽんと触れる。触れた瞬間。

 メモリーチェーンは、青色に染まり。老人の男は、口を開く。

「メモリーチェーンで、共有した。記憶の中で、最も心揺さぶる。

 感情を手に入れた時。メモリーチェーンに色が足される。

 沢山の色に染まれば。きっと、分ると思うよ。君の悲しみの意味が」

 「はい?」老人の男の言葉の意味がわからず。アイは、再び小首を

 傾げ。それを見ていた。老人の男は「はっはっはっ」と豪快に笑った。

 メモリチェーンそれは、他人の記憶を自身の中に共有できる。

 この世界で、まだ一本しかない。科学の最先端の技術である。

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コードメモリーあなたの記憶を共有します 優薔薇 @yo-81u

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