『フィナーレ』(仮題) 原案
【ご注意】
原案をご使用の際はご相談ください。
ただし、梗概(あらすじ)の6割以上を変更したものは執筆者のオリジナル作品と認めます。
以下、原案です。
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【仮タイトル】
『フィナーレ』
【ジャンル】
ファンタジー
【形式】
小説
【登場人物】
・藤花透環(ふじはな とわ)
女子高校生。小難しい小説が好き。
超常現象が起こっても冷静さを失わない。
・謎の生徒
小説の語り手。一人称は私。女子生徒らしい。
高校生の制服を着ている。
少女Aに執着心をみせる。
【あらすじ】
放課後。藤花は毎日、教室に居残って窓際で読書をしている。
藤花を観察してきた私は、彼女が理科室が空くのを待ち、生物の世話をしていることを知っている。
ある朝、気まぐれに私が校門の前で花壇を見ていると、藤花が登校してくる。他の生徒よりもかなり早い時刻なので、私は思わず話しかける。藤花は、不思議そうに首をかしげつつも私の問いに答えた。
私は高校一年生の時から藤花と同級で、三年生の夏休み前になってやっと会話できたことに喜ぶ。
それから毎日のように放課後の藤花との会話を楽しむ。一方藤花は、ある時から私に小説を進めてくるようになる。カフカの『変身』、中島敦の『山月記』……。私は藤花から教えてもらった小説を読み、次の日には二人でその感想を語り合うのを楽しんだ。しかしどの小説も、人間が人間でなくなる物語であることに違和感を覚える。
夏休み前日。私は藤花を夏祭りに誘う。藤花は、誘いに乗る条件として「花火が一番きれいに見える場所」で落ち合うことを提案する。私は旧校舎の屋上の鍵を借り、その場所を藤花に教えた。
夏祭り当日は快晴で、星がよく見えた。私は屋上で藤花を嬉々として待った。藤花は「なかなか見つからなくて」と遅れてやって来て、お詫びにりんご飴をくれる。まもなく花火が始まり、二人はそれを眺めながら、音の合間にぽつりと会話する。
いよいよ花火のフィナーレが近付き、藤花は私の腕を掴み、りんご飴に花火の明かりを反射させた。そのとたん、私は「自分が幽霊なのではないか」という感覚に襲われる。
花火が終わったあと、私は恐る恐る藤花に問う。「男は虫になったことを救いと感じたのだろうか」。
藤花は悲しそうに笑い、私は何故かその姿を見て満足し、自らの死を受け入れる。(完)
【原案】現実と妄想が混同するタイプの現代ファンタジー 津麦縞居 @38ruhuru_ka
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