第3話 怒りを呼ぶ赤黒い炎

人間居住区域の中央、巨大な庭園の中に城塞一つが重力を無視して悠々と浮かんでいた。

「惑星の王冠(Planetary Crown)」、別の言葉では「独裁官宮」だった。

アルファ惑星の最も高い人間は王ではない。

王という存在は、白虎の皮で飾られた高級ソファーにごろごろしているこの男の言葉なら、いつでも変わる存在に過ぎない。

彼は「惑星独裁官(Planetary Imperator)」、惑星政府の首長であり、その至厳な千年帝国ヴァルハラの皇帝の名前で惑星全体の権力と責任を片手に持つ、想像を絶する権力者だった。

行政も、立法も、司法も、軍隊も、警察も、すべてこの男の手の中で始まり、終わる。

中央の高位官僚より辺境惑星の独裁官がより魅力的な地位に感じられる理由でもある。

この権力の代価はただ一つ、「惑星で反逆者が発生すれば凌遅処参」。

強力で恐ろしい警告だが、アルファ惑星独裁官「リーゼフィリード」には大したことではなかった。 未開で下等な惑星土着民などがあえて帝国に、自分に反抗できるはずがないからだ。

帝国内でも指折りの魔力保有者であり、巨大な軍隊の指揮官であり、二重の鉄壁と一つの巨大な城で保護される自分に、あえて誰が反抗するというのか。

そんな彼の趣味は「王国いじめ」だった。

どの王国にでも侵入して問題を起こした後、抗議する王国に様々な文句をつけ、意地悪をしながら王と貴族たちの苦しそうな表情を楽しむのだ。

共和国の対象にするには面白くなく、土着民の主題に高貴で遅滞のあるふりをする王国を相手に行うのが面白いのだ。

王という地位に上がり、天に届く権力を持つようになったと考える者たちに上位の存在を知らせ、本当の権力者に接した者たちの剥奪感と悲惨さは実においしい。


「…ゴミのやつら。」

レセット王国の若くて痩せた王パラ2世は、彼らの横暴を撃退し、彼らに復讐する方法を考え、数日間の夜を費やした。

その蛇のような者にもう一度賠償金を支払った後だった。

もちろん、自分や王国が悪いことをしたのは、民を守ろうとしたことだけだった。

女性を強奪しようとした帝国軍の末端を逮捕して独裁官宮に渡したところ、戻ってきたのは「惑星政府の体面を削った賠償金」を出せという公式書簡だった。

その痴漢に下された処罰とは「劣等人と体を混ぜようとした罪で謹慎処分」。

自分の境遇を嘆いて恨んだ。

王という地位にありながら、自分の民一つも守ることができない自分が、あまりにも無能に感じられた。

その者たちを追い出し、王国の自主独立を守るという願いは

ある日、一握りの軍隊が「お前たち未開人たちを目覚めさせ、治めて導いてあげる」として艦隊を率いて現れた後、続いてきた。

彼らに対抗するために王国が動員できるあらゆる手段を動員した。

恒星の上に存在した国家同士の長い葛藤を差し置いて総連合後に対抗したが、とんでもない交換費を払って無残に敗北した。 そして弱者の主題に対抗した代価は残酷だった。

各王国には恒星政府の正規軍と軍団兵という強力な軍人が配置され、彼らが王国内で何をしようが何も言えない境遇になった。

人類の壁という名の監獄を作り、土着国家同士の外交を監視した。

最先端の兵器で武装したにもかかわらず、先住民国家は中世紀以上の発展を妨げた。

いつまでもこのように生きていれば、結局その寄生虫たちに国力を、国民の命を蝕まれて永遠に発展できないまま永遠に彼らの慰み者に転落してしまうだろう。

どんな手を使っても彼らに勝って、王国の近代化を追求しなければならない。

二度と誰もこの国をばかにしないように···

そのように頭を絞ったパラ2世に驚くべきニュースが伝わることになる···



この古代人、想像以上に巨大だと、セルは思った。

車から降りて彼と一緒に歩く間ずっと注目された。

そりゃ、自分もこんな巨人が都会の真ん中に現れたら驚くだろう。

しかし、もともとインドア派の科学者体質であるセルには、おそらく一緒にいる二人にも、この視線が自分に向けられているようで負担になることがなかった。

合う服を見つけるのが難しかった。 この巨体に合うサイズを探すために、しばらく歩き回った。

彼はもともと店員に話しかけるのが苦手なタイプだった。

自分の服を買うのも難しいのに、人の服を買うのに脂汗をかいていた。

ここに一人じゃないのが幸いだった。

実際、テリアは何の役にも立たなかった。 この寝坊助よりはむしろ自分の方がはるかにコミュニケーション能力が高いと確信した。

車で寝ているということをやっとのことで引き摺り下ろした。

自分がこのように苦労をするのに、一人で楽に寝ている姿を想像するほど腹が立った。

役に立つのはラナだった。 実際、ラナがいなかったら、この旅行自体が成立しなかっただろう。

セルの価値観としては、ぼろぼろの服であれ中世時代の服であれ、本人が着て不便ではないということに何の関係があるのかと思ったからだ。

実は砂の中でいつも一緒に苦労する姿だけを見ていて、この都市でラナはかなり淑女の姿が出た。 赤い髪が美しく日差しを反射していた、

苦労さえしなければ肌もきれいなのにと、セルにしてはかなり深い同情を送った。

ルメルは街の風景を見るのに夢中だった。

巨大な図体と凶悪な顔に似合わず無邪気な姿がまるで熊のように可愛い面もあるようだった。

この人は確かに悪い人ではないのに、昨日のことを思い出すと、多血質な面もあるようだった。

もしこの人が本当に古代人なら、現代まで生きているある種の理由があるだろう。

本当に古代人なのか、そのことが何なのか彼から直接聞きたかったが、彼は彼のことについては一切話さなかった。 不幸にも彼も自分と同じタイプ、先に対話を始めるスタイルではなかった。 こんな面だけ見れば現代人と極めて似ているのに。

自分が先に聞く勇気はなかった。 彼の事情が分からない以上、自分も知らないうちに地雷を踏んだらどうするのか。 この怪物のような男の怒りを考慮して質問する勇気などなかった。

そうするうちに、ある考えが浮かんだ。

「ルメルさん、この町にいる間、できるだけ忍耐強くなってほしい。」

「どういうことか?」

「不安なんですよ。」

「この軍団兵の奴らの横暴を見て、あなたがじっとしているとは思えない。 いきなり人の基地に乱入して怪物を撃退したあなたじゃないの? 水火もいとわないと思うよ。」

隣の2人も同意した表情だった。

「きっと事件が起こりそうなんだ。」

「もし事を起こしたら、私たちの命は責任を持って助けてください。」



人類居住区域の南側には非常に険しい岩山があった。

この地域の岩石は固いことで有名だった。

その理由は金属を抱いた岩だったからだ。

それも普通の金属ではなく、魔力鋼。 魔力武器の材料になる金属だが、金属に宿る魔力の純度によって硬さが千差万別だった。

この山の谷間は、この時代のアルファ惑星では最も魔力が豊富な地域の一つだったため、高品質の魔力鋼の産地として有名だった。 そして品質が高いということはすなわち固いということ、人間の現技術でも採取することが極めて難しかった。 さらに、金属の硬さ以外に、この地域での資源採掘を妨げる要素がもう一つあったのだが…···

山脈の最も深いところ、龍の遺体が明らかになったままゆっくりと腐敗していた。

それがいつからそこにあったのか、その龍は正体が何なのか学者ごとに意見が分かれるが、確かなことはその龍は死体の状態で想像することも難しい歳月の間に存在してきたということであり、この地域に流れる豊かな魔力の源泉と推定される。

竜は死んでも竜。その巨大で強力な肉体を食べられる清掃動物がほとんど存在しないうえ、虫たちの食事もとんでもなく遅く、風化作用にも強く、長い歳月が経った後もほとんど原型に近く保存されているのだ。

実際、龍の胴体部には変化がほとんどなく、それでも最も柔らかい部位である翼の皮膜に虫が数えきれないほど巣を作っていた。

問題は、この死体を基盤に生きていく虫たちはもともと通常の虫より大きく強力なうえに龍の肉を食べてさらに強くなって人を食べられる強力な怪物に進化していた。 さらに、彼らが吐き出す毒素は、龍の表皮を溶かすための強酸性の魔力溶液。 普通の金属では耐え難いため、近づく前に大隊一つぐらいはあっという間に肉のスープになってしまうのだ。

彼らの存在がここでの資源採掘を妨げていた。

そうして、この静かな虫と岩の世界で、その龍の、絶対二度と開けられそうになかった雪が、不意に開かれた。

それと同時に山脈全体の魔力が揺れ始めた。

その魔力を養分にして成長していた怪物たちと龍の肉体を巣に、食事にして生きていた嫌悪感のある虫たちがこの波動に興奮して暴れ始めた。

龍はその腐敗した体を起こしてゆっくり歩きながら、長い間虫たちの城として使われてきた翼を広げて見せた。 その城に住んでいた怪物の虫が飛び出し、赤みが広がった。

夕焼けとは違う系列の赤色に染まった空を見て咆哮する龍のその凶々とした赤黒い瞳には黒い五角形の模様が刻まれていた。



高貴で強力な惑星政府の軍団兵レオンとレシアの体にはいつも血のにおいがついていた。

殺戮と同時に強姦を楽しむ、獣のような兄妹の横暴に、周辺の商店や家はドアを固く閉めていた。 しかし、空間の遮蔽がその中にいる者たちの恐怖まで隠すことはできなかった。

それに、あのくだらないドアなんか、施錠したら壊してしまえばいい。 魔力もない防御など軍団兵の前では無力だ。 固有装備など必要もなかった。 素手で壊すことができるのだ。

レオンはかわいい娘が忍び込んだ家に向かい始めた。

そんな彼の前に立ちはだかるキビの茎のようなものを持った肉のかたまりたち。

「と…止めてください!」

これに興味を持ったのは妹のレシアだった。

「へ。あなたたちがこの国の騎士団というやつらなの?」

「そうです! 軍団兵様だちの横暴を止めてください!」

「横暴?ふん!色欲は創造主から授けられたものだ! これに忠実なのが横暴だったのか!」

「だからといって、それに忠実でいいほど強力な者と、つまらない法則に従わなければならないほど弱い者がいるだけ。」

これに一番高く見える騎士の顔が怒りで固まっていた。

「怒った姿かわいいね。 お兄ちゃん、こちらは私にちょうだい。」

「俺の弟も俺に似て色欲に充実している。」

「そうだよ、お兄ちゃんの妹だから。」

傍若無人の破廉恥な人々の会話とは信じられないほど軽くて和気あいあいとした会話をする二人。

「うっ…」

義務に従おうとした崇高な騎士団長は、あっという間に自分が狙われていることに気づき、恐怖に震えた。

「それでも…···君たちが誰だって! 私は戦う!」

騎士団長の一撃に込めた容器は、剣とともにレシアの手に粉々になってしまった。

「何だ、何だ。 こんなに弱いなのに国を守ることができるの?」

「うっ…」

「どうせ弱いもの、私に身を委ねるのはどう? たっぷり可愛がってあげるから。」

剣を置いて突き出した拳もそのまま捕まり、床に体が投げつけられた。

地面に脊椎が破裂し、彼は痛みと恐怖で気絶してしまった。

その時、レシアの頭があっという間に飛んでいった。

レシアは食事を期待する獣の目となり、騎士団長に近づいた。

その時、レシアの頭があっという間に飛んでいった。

恐怖に包まれたまま彼女に槍刀を突きつけていた王国の騎士たちも、

彼女を後にしたまま、自分も楽しいことをするために足を運ぼうとしたレオンも、突然の流血事態に呆気に取られた。

そこに立っていたのは首が消えた妹の死体とゴリラのように巨大な男だった。

「悪いね。我慢できなくて。」


弱小国の悲哀。

それがルメルが一身に強い力を持とうとした理由だった。

国力の差を克服できるような強い自分を望んだのだ。

そんな彼に、強大国の兵士が弱小国の民を相手に横暴を犯す今の事態は、自分の祖国が重なって見える光景だった。

自分の祖国もこうだった。

強大国に捧げる貢ぎ物が手に負えなくなって支払いが遅れると、相手は軍人たちを送って王道の真ん中を無断占拠し、勝手に横暴を犯した。


だが、彼を知らない軍団兵レオンにはこの光景がただ弱者の発作に見えた。

妹のレシアは彼に残された最後の人間愛の支えだった。

彼女を愛する家族愛だけがレオンに残った唯一の肯定的な面だった。

神が準備し、親が譲った普通の人とは異なる、優越で強力な肉体。 そして世界で最も強力な国から授与された高貴な地位。

普通の下等なものとは当然違う。 人生も、権利も。 もしかしたら種族自体が違うのではないかと何度も考えた。 神様が自分たちを作った後、残った材料を無駄にしたくないから適当に作った、この虫のような惑星の弱小国で生まれ育った下等な奴ら。

優越な者が劣等な者を支配するのは、力を与えた神と権力を与えた帝国が保証する権利。 敢えてこれに逆らう愚者。 愛する妹を殺害する光景に直面した彼に、胸の中の熱い何かが上がった。

何か熱くて、激しくて、拒否しにくい、赤黒い感情が頭の中を支配し始めた。

「貴様、あえてレシアを…」

このゴリラのような下等種族。

その愚かな肉体の力で帝国の軍団兵を相手にできると考えたなら誤算だ。

「固有装備呼び出し:コルバス·スピア(Corvus Spear)」

呼び出し魔法陣が投影されると、レオンを攻撃しようとしたゴリラは一瞬戸惑った。 そうだ。恐怖に包まれたんだろう。

優越な強者の弱者に対する真剣な殺害意志は当然恐ろしいだろう。 後悔しても遅くなったけど。

レオンの固有装備、コルバス·スピア。

レオンの性向に合わせて近接戦に特化し、両腕のミスリル合金ガントレットにはカラスのくちばしが飾られた、巨大で尖ったシーズランス(Siege Lance)と超近接戦用8列ゲットリングガンが重なって装着されており、肩にはヘルフレア(Hell Flare)火炎放射器が犠牲者の肉の味を待っていた。 初級重力魔法ドレグエネミーレベル1(Drag Enemy Lv.1)が発動され、相手をレオンが準備する死の領域に強制的に引き寄せる。 肩の後ろにはプラズマ単一型ブースターが搭載され、彼の急な性格に合う速度感のある戦闘を支援した。

事実、固有装備にしては弱い方だが、魔法も使えない辺境の惑星土着民を相手にするには不足がない、いやむしろアリを相手に爆弾を使う水準の過度な武装だろう。

だが、とにかくこのゴリラと見守っている下等な生命体たちに軍団兵の恐ろしさをひしひしと感じさせてあげる必要があった。

「貴公、どなたかわかりませんが、騎士団長を助けてくださり、ありがとうございました! 私たちも一緒に戦いますよ」と騎士団というやつらが言った。

「クククク。そう、そうだ」

何匹かの下等生物が手伝おうが手伝おうが助けまいが、レオンには知ったことではなかった。

どうせ妹を死なせたこいつらは皆レオンに死ぬだろうから、今戦うのが下等生物が選択できる最も賢明な道であることが確実だから。

なのに、

「俺一人で十分だ。 君たちは急いで彼に治療を受けさせなさい。」

と、自分が選べる最善の手を自分の足で蹴るゴリラ。

「どこまでバカにすれば軍団兵と裸で立ち向かうというのか、下等生物のくせに。」

ただ···

「こいつはどこから現れたんだ? これくらいの図体なら群衆の中でも目立っていたはずなのに…」

という小さな疑問が後になって浮かんだ。

「まさか、転移や隠蔽魔法···」

考えが浮かんだが、話にならないと首を横に振った。

「こんな辺境惑星の土着民なんて魔法を使うはずがない。 見るまでもなく、どこかに隠れて臆病者のように見守っていたのだろう。」

ゴリラは無意識のうちに思い付いたレオンを静かに見ていた。

「そうなんだ。これがまさに固有装備…腕を包む鉄の塊の中に銃が入っているんだ。」

「今気づいたの? お前が誰を敵に回したのかを?」

しかし、ゴリラは怯えた様子もなく、こちらをじっくりと見ていた。

まるでミニチュアの建物を見物するように、じっくりと固有装備を見るだけだった。

「いや、まだよくわからないな。」

不思議な余裕が感じられるその発言に、心の中を焦がしていた赤黒い炎が爆発するようにブースターが火を噴き出した。

「それなら教えてやろう!」

彼に疾走して機関銃を発射すると、弾丸があっという間に打点に到達したが…···

そこにいたゴリラはいつの間にか消え、銃弾は誰も立っていない土地を壊すだけだった。

「どこに消えたんだ!」

首をかしげると、そのゴリラは女性一人を近くに抱いて運んだ後、

「俺の代わりに殴られるところだった。」

とつぶやいた。

そうしてこちらを眺めながら

「そう、その弾たち、ある種の魔法の効果を受けているんだ?」

のんきな言い方をするのだった。

「ゴリラにしては知能がなかなかだね。 どうやって知ったんだい?」

「見えたから?」

「うそをつくな!」

その通り,弾丸には「推進制御」の魔法がかけられていた。

手首から発射される弾丸がシーズランスに当たらないようにするために発動する魔法だが、本来のランスの損傷を防ぐ用途だが、付随的に弾丸の速度が速くなる効果もある。

だが、これを目で見て把握したというのはとんでもない話だ。

あのゴリラなんかが魔力の流れを見ることができたはずがない上に、そもそも人が弾丸をどうやって目で見るのか?

「貴様が今何をしたのか言え。」

「俺がそのまま避けていたら、この人が当たったはずだから。」

「下等種族同士で助けてくれる滑稽な仕業なんて俺も知っている! どうやってあっという間にそこまで行ったのか言えよ!」

「敵に技術を教えてくれることがどこにあるのか? バカって。俺ではなく、貴様がゴリラではないか?」

その言葉に再び赤黒い炎が冷静さを溶かし右手を前に突き出した体の突進と同時に銃弾を発射するレオン、打点に到達すると同時に、突き放した彼の右手が消えた光景が見えた。

レオンはもちろん、騒いでいた見物人でさえ言葉を失った。

「何…」

いつ拾い上げたのか、ゴリラ、ルメルの手には騎士団が使っていた剣一つが持っていた。

慌てる暇もつかの間、彼の腕から噴き出る血が床と群衆を濡らし始めた。

単純に腕を切断したからといって出てきそうな出血の範囲を越える理由は、ルメルが使った攻撃補助魔法<出血加速>のためだった。

一方、

「……俺がこんなやつに腕を失うって?」

レオンの心を焦がしていた赤黒い炎が一層大きくなっていた。

「下等生物なんかが、妹を殺しただけでは足りず、俺まで殺そうとしているって?」

炎の中の誰かが彼の魂に向かって何かささやいているようだった。

「貴様!!あえて、下等な惑星土着生物のくせに!!」

床に撒かれた血から火炎が噴き上がった。

そして、レオンの体からも炎が出ていた。

「これは一体…?」

この光景を見ていた者たちは皆驚いて後ずさりした。

だが、ルメルには思い当たることがあった。

「悪魔の炎か」

そうだ。それは悪魔がささやく花火。

そして、この都市に向かって飛んでくる腐敗した怪物を動かすようなものだった。

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10000年の古代戦士の滅世旅行 @ton6181

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