第7話 えぴろーぐ!

 私、ソラが空の国に帰ってきてから、もう1ヶ月が経っちゃった。


 毎日、雲の上をぴょんぴょん跳ねながら、地上を探してるの。フーガちゃんの姿が見えるかなって。


「フーガちゃーん!聞こえるかなぁ?」


 今日も大きな声で呼んでみたけど、返事はないんだ。でも、諦めないよ!


 空の国は相変わらずふわふわで気持ちいいんだけど、なんだか物足りないの。フーガちゃんがいないからかな…


「ねぇねぇ、お空さん!フーガちゃんに会いたいな。なんとかならないかな?」


 そう言いながら、大きな雲に寝転んでみたの。


 ふわっと風が吹いてきて、私の髪をそよがせたんだ。まるで「もうちょっと待ちなさい」って言ってるみたい。


「はぁ〜、待つのって難しいね」


 空を見上げながら、フーガちゃんとの思い出を振り返ってるの。アイスを食べた日のこと、図書室で一緒に本を読んだこと、空の機械で遊んだこと…


「あっ!そうだ!」


 突然、いいアイディアが浮かんだの。


 急いで立ち上がると、空の端っこまで走っていったんだ。そこから、思い切り深呼吸して…


「フーガちゃーん!私の気持ち、届けぇー!」


 そう叫びながら、両手をいっぱいに広げたの。


 すると、不思議なことが起きたんだ。私の体から、キラキラした青い光が出始めたの!


「わぁ!これって…」


 どんどん地上に向かって伸びていってる!まるで私の気持ちみたい!


「行け、行けー!フーガちゃんのところまで!」


 私は両手を前に突き出して、その光を押し出すようにしたんだ。


 光はどんどん伸びて、ついに雲を突き抜けて地上まで届いたみたい!


「やったー!」


 思わずガッツポーズしちゃった。


 そのとき、ふわっと温かい風が吹いてきて、何か小さなものを運んできたの。


「えっ?これは…」


 手のひらに落ちてきたのは、小さな紙飛行機。開いてみると、中にはメッセージが書いてあったんだ。


「ソラちゃん、私も毎日あなたのことを想っているわ。きっとまた会えるわよね。約束だよ。フーガより」


「フーガちゃん…」


 目に涙が溢れてきて、でもすっごく嬉しくて、思わず空中でクルクル回っちゃった。


「うん!約束だよ、フーガちゃん!絶対にまた会いに行くからね!」


 私の声が、空全体に響き渡る気がしたんだ。


 これからも、きっと寂しい日もあるんだろうな。でも、フーガちゃんとの約束があるから、絶対に負けないよ!


 毎日、空の端っこから地上に想いを送り続けるんだ。そして、いつかきっと…


「フーガちゃーん!ただいまー!」


 って言える日を楽しみに待ってるの。


 私とフーガちゃんの小さな恋は、空と地上の間で、大きく育っていくんだよ。


 フーガちゃん、待っていてね。きっとまた会えるから…♡

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空から来たわたしとフーガちゃんのヒミツ! ありんこるん @silcload

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