第6話 あいむほーむ!

 次の日の朝、私は目を覚ますとすぐにフーガちゃんを探したの。


「フーガちゃん!フーガちゃん!」


 私の声を聞いて、フーガちゃんが慌てて部屋に駆け込んできたわ。


「どうしたの、ソラちゃん?大丈夫?」


 フーガちゃんの顔には心配そうな表情が浮かんでいたの。


「うん、大丈夫だよ。ただね、昨日のこと…夢じゃなかったよね?」


 私の問いかけに、フーガちゃんはにっこりと笑顔を見せてくれたの。


「ええ、夢じゃないわ。ソラちゃんの涙に、本当に不思議な力があったのよ」


 その言葉を聞いて、私は思わずベッドから飛び出して、フーガちゃんに抱きついちゃったんだ。


「やったー!じゃあ、私たち本当に空の国に行けるんだね!」


「そうね。でも、まだ準備が必要よ。もっと研究しないと」


 フーガちゃんは真剣な顔をしながら言ったけど、その目は期待に輝いていたの。


「うん!私も頑張るね。フーガちゃんと一緒なら、きっとうまくいくよ!」


 私たちは手を取り合って、装置のある机の前に座ったんだ。


「じゃあ、まずは…」


 フーガちゃんが説明を始めると、私は一生懸命聞き入ったの。難しい言葉もたくさん出てきたけど、フーガちゃんが優しく教えてくれるから、少しずつ理解できるようになってきたんだ。


「ねぇ、フーガちゃん。私の涙で空の国に行けるようになったら、フーガちゃんのお父さんとお母さんは何て言うかな?」


 突然、そんな疑問が湧いてきて、思わず聞いちゃったの。


 フーガちゃんは少し考え込んでから、ゆっくりと答えてくれたわ。


「きっと驚くと思うわ。でも、私の夢を応援してくれると信じてる。それに…」


 フーガちゃんは少し顔を赤らめて、続けたの。


「ソラちゃんと一緒なら、どこへでも行きたいって思ってるって、伝えるわ」


「フーガちゃん…」


 私の胸がキュンとして、思わずフーガちゃんの手をぎゅっと握りしめちゃった。


「私も、フーガちゃんと一緒じゃないと嫌だよ。ずっと一緒にいようね」


「うん、約束よ」


 私たちは小指を絡ませて、もう一度固く約束したんだ。


「ねぇ、フーガちゃん。空の国に着いたら、真っ先に何がしたい?」


「そうねぇ…まずは、ソラちゃんの家族に会いたいわ。そして、ソラちゃんの大切な場所を全部見てみたいな」


 フーガちゃんの答えを聞いて、私はすっごく嬉しくなっちゃった。


「うん!絶対に案内するね。それから、みんなにフーガちゃんのこと紹介したいな。私の大切な人だって」


「ソラちゃん…」


 フーガちゃんの頬が赤くなって、私も顔が熱くなるのを感じたんだ。


 夜になって、私たちはベッドに横たわりながら、空の国のことや、これからの冒険のことをずっと話し合ってたの。


「ねぇ、フーガちゃん。少し怖いけど、すっごくワクワクする」


「私も同じよ、ソラちゃん。でも、二人一緒だから大丈夫」


 フーガちゃんが私の手を握ってくれて、温かい気持ちに包まれたんだ。


「うん、絶対に大丈夫!フーガちゃんと一緒なら、どんなことだって乗り越えられるもん!」


「ねぇ、フーガちゃん。今日はどんな実験をするの?」


私は期待に胸を膨らませながら聞いたんだ。


「今日はね、ソラちゃんの涙の力をもっと詳しく調べてみようと思うの」


フーガちゃんは眼鏡をキラリと光らせながら答えてくれたわ。


「えっ、また泣かなきゃいけないの?」


私は少し困った顔をしちゃったんだけど、フーガちゃんはクスッと笑って…


「大丈夫よ。今回は前に集めた涙を使うから」


そう言いながら、小さな瓶を取り出したの。中には、キラキラと光る私の涙が入ってたんだ。


「わぁ、きれい…」


思わずため息が出ちゃった。


フーガちゃんは慎重に涙を機械に注ぎ始めたの。その時、私たちの指先がそっと触れ合って…


「あ…」

「えっと…」


二人とも顔を赤らめちゃって、目が合うとクスッと笑っちゃったんだ。


「よし、準備オッケーよ。スイッチを入れるわね」


フーガちゃんが言うと同時に、機械が低い音を立てて動き始めたの。


するとね、驚いたことに機械の中で私の涙が渦を巻き始めたんだ!


「フーガちゃん、見て!涙が…」


「うん、すごいわ!」


私たちは息を呑んで、その様子を見守ったの。


突然、機械から青い光が溢れ出して…


「きゃっ!」


私たちは思わず目を閉じちゃった。でも、その光は暖かくて、優しい感じがしたんだ。


「ソラちゃん、大丈夫?目を開けて」


フーガちゃんの声に導かれて、そっと目を開けてみると…


「わぁ…!」


私たちの周りが、ふわふわの雲に包まれてたの!


「フーガちゃん、これって…」


「信じられないわ。私たち、空の中にいるみたい!」


部屋全体が空に変わっちゃったんだ。足元はふわふわで、頭上には青い空が広がってる。


「やったー!フーガちゃん、私たち空の国に来れたんだよ!」


興奮のあまり、私はフーガちゃんに飛びついちゃった。


「ソラちゃん、待って!これはまだ…」


でも、フーガちゃんの言葉が終わらないうちに、私たちは本当に浮き始めちゃったの!


「きゃー!」

「わっ!」


二人で抱き合ったまま、ゆっくりと空中を漂い始めたんだ。


「フーガちゃん、怖くない?」


「ちょっと…でも、ソラちゃんと一緒だから大丈夫」


フーガちゃんの頬が赤くなってて、私の心臓もドキドキしてた。


私たちは手を繋いで、この不思議な空の世界を探検し始めたの。雲を触ってみたり、風に乗って滑ってみたり…


「ねぇ、フーガちゃん。夢みたいだね」


「ええ、本当に。でも、これが現実なのよ。私たちの力で作り出した空の世界」


フーガちゃんの目が輝いてて、私もすっごく嬉しくなっちゃった。


「フーガちゃん、ありがとう。あなたのおかげで、私、また空に帰れたみたい」


「ううん、ソラちゃんこそありがとう。あなたの涙が、この奇跡を起こしてくれたのよ」


私たちはそっと見つめ合って、ゆっくりと顔を近づけて…


その時、突然機械が大きな音を立てて、空の世界が揺らぎ始めたの!


「あっ!」

「きゃっ!」


私たちは慌てて抱き合って、ゆっくりと地面に降りていったんだ。


気がつくと、また元のフーガちゃんの部屋に戻ってたの。


「残念…でも、すっごく楽しかったね!」


「ええ、本当に素晴らしい経験だったわ。でも、まだ改良の余地があるみたいね」


フーガちゃんは少し残念そうだったけど、私は大喜びだったんだ。


「フーガちゃん、私たち、きっと本物の空の国にも行けるよ!」


「うん、絶対に。二人で一緒に」


私たちは固く手を握り合って、これからの冒険に胸を躍らせたの。


この日の経験は、私たちの絆をもっともっと強くしてくれたんだ。そして、私の中でフーガちゃんへの気持ちが、空の雲みたいにふわふわと大きくなっていくのを感じたんだ♡

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