第5話 でぃすかばりー!

 ある夜、私はフーガちゃんの部屋の窓辺に座って、空を見上げていたの。月が丸くて、とってもきれいだったんだ。


「ねぇ、フーガちゃん」


「なに?ソラちゃん」


 フーガちゃんは、いつものように空石を探す装置をいじっていたけど、私の声を聞いて顔を上げてくれたんだ。


「空の国のみんな、元気かな…」


 私の声は少し震えていて、目に涙が溜まっちゃったの。


「ソラちゃん…」


 フーガちゃんは装置を置いて、そっと私の隣に座ってくれたんだ。


「ごめんね、フーガちゃん。楽しいはずなのに、急に寂しくなっちゃって…」


 私は顔を両手で覆っちゃったんだけど、そしたらフーガちゃんが優しく私の手を取ってくれたの。


「ソラちゃん、大丈夫よ。寂しくなるのは当たり前だもの」


 フーガちゃんの手が温かくて、なんだかホッとしちゃった。でも、涙は止まらなくて…


「でも、フーガちゃんと一緒にいると楽しいの。だから、こんな気持ちになっちゃってごめんね…」


「謝らなくていいのよ。ソラちゃんの気持ち、わかるわ」


 フーガちゃんが私を優しく抱きしめてくれたんだ。


 その時、ポタッという小さな音が聞こえたの。


「あれ?」


 フーガちゃんが不思議そうな顔をして、私から離れたんだ。


「どうしたの、フーガちゃん?」


「ちょっと待ってね、ソラちゃん」


 フーガちゃんは急いで装置のところに戻って、じっと見つめ始めたの。


「わっ!」


 突然、装置から小さな光が漏れ始めたんだ!


「フーガちゃん、大丈夫?何があったの?」


 私は心配になって、フーガちゃんの隣に駆け寄ったの。


「ソラちゃん、これ…もしかしたら…」


 フーガちゃんの目が輝いていて、私もドキドキしてきちゃった。


「何?何なの?」


「ソラちゃんの涙が、装置に落ちたみたいなの。そしたら、こんな反応が…」


「えっ?私の涙が?」


 私は驚いて、自分の頬を触ってみたんだ。確かに、涙で濡れていたよ。


「ねぇ、ソラちゃん。もしかしたら、あなたの涙に空石の力があるのかもしれないわ」


 フーガちゃんの言葉に、私はびっくりしちゃって、言葉が出なかったの。


「ほら、見て。装置が青く光ってる。これって、空石の反応そのものよ!」


 フーガちゃんは興奮した様子で説明してくれたんだ。


「じゃあ、私の涙で空の国に帰れるってこと?」


「そうかもしれない。でも、もう少し調べないと…」


 フーガちゃんはそう言いながら、ちょっと寂しそうな顔をしたの。


「フーガちゃん…」


 私は思わずフーガちゃんの手を握りしめちゃった。


「大丈夫だよ。私、フーガちゃんと一緒じゃないと帰らない!」


「ソラちゃん…」


 フーガちゃんの目に涙が光ったように見えたんだ。


「ねぇ、フーガちゃん。一緒に空の国に行こうって約束したよね?絶対守るからね♡」


「うん、約束よ。絶対に」


 私たちは小指を絡ませて、もう一度約束をしたんだ。


 その夜、私たちは遅くまで起きていて、この新しい発見について話し合ったの。フーガちゃんの腕の中で、私はちょっとずつ眠くなっていって…


「ソラちゃん、ありがとう」


 フーガちゃんのささやき声が聞こえた気がしたんだ。


 きっと、これからもっともっと素敵な冒険が待っているんだね。フーガちゃんと一緒なら、どんなことでも乗り越えられる気がするんだ♡

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