第4話 あいすくりーむ!

 ある暑い日の放課後、フーガちゃんと一緒に帰る途中だったの。


「あ〜、暑い〜」


 私は額の汗を拭いながら言ったんだ。


「そうねえ。今日は特に暑いわ」


 フーガちゃんも同意してくれたんだけど、その時、私は道端の看板に目が留まったの。


「ねえねえフーガちゃん!あれ見て!」


 私は興奮気味に指さしたんだ。そこには「新作アイス登場!」って書かれた看板があったの。


「わぁ!アイスってなに?食べられるの?」


 フーガちゃんは驚いて目を丸くしたんだ。


「えっ、ソラちゃん。アイスを知らないの?」


「うん、空の国にはないから」


 フーガちゃんは少し考えてから、にっこりと笑顔を見せてくれたの。


「じゃあ、今日はアイスを食べに行きましょう!」


「やった〜!」


 私てば、嬉しそうに飛び跳ねちゃった。


 アイス屋さんに入ると、たくさんの色とりどりのアイスが並んでいたの。


「わぁ〜!きれい!全部アイスなの?」


 私は目を輝かせながら、ショーケースを覗き込んだんだ。


「そうよ。どれにする?」


「うーん、どれにしようかな〜。フーガちゃんは何がおすすめ?」


 フーガちゃんは少し考えてから、


「そうねえ、初めてならバニラがいいかもしれないわ。あ、でも暑い日だからフルーツ味も美味しいわよ」


「じゃあ、フーガちゃんと同じのにする!」


 私は嬉しそうに言ったんだ。フーガちゃんはちょっと照れくさそうに微笑んで、二つのストロベリーアイスを選んでくれたの。


 外に出ると、近くの公園のベンチに座ったんだ。


「さあ、食べてみて」


 フーガちゃんが私にアイスを渡してくれたの。私は恐る恐るアイスに舌を付けてみたんだ。


「わっ!冷たい!でも...おいしい!」


 今、私の目が星のように輝いてるかも。


「本当?良かった」


 フーガちゃんも嬉しそうに自分のアイスを食べ始めたんだ。


「ねえフーガちゃん、アイスってどうやって作るの?」


「えっと、まず材料を混ぜて、それを冷やして...」


 フーガちゃんが説明を始めると、私は真剣な表情で聞き入っちゃったんだ。


「へえ〜。地上の科学ってすごいね!」


 私たちはアイスを食べながら、楽しそうにおしゃべりを続けたの。そしたら、フーガちゃんが突然私の顔をじっと見つめてきたんだ。


「どうしたの?」


「ソラちゃん、ほら」


 フーガちゃんがそう言って、そっと指で私の頬を拭ってくれたの。


「あ、ありがとう...」


 私は少し赤くなって俯いちゃった。フーガちゃんも自分の行動に気づいて、顔を赤らめたみたい。


「あのね、フーガちゃん」


「なに?」


「地上に来れて本当に良かった。フーガちゃんと出会えて、こんな美味しいものも食べられて...」


 なんか私、目がうるうるしてきたんだ。フーガちゃんは優しく微笑んで、


「私も、ソラちゃんに会えて嬉しいわ。これからもたくさんの初めてを一緒に体験しましょうね」


 と言ってくれたの。


 二人は寄り添いながら、夕暮れの公園でゆっくりとアイスを味わったんだ。フーガちゃんの肩が私の肩に触れて、なんだかドキドキしちゃって...。


 この小さな幸せな時間が、私たちの心をさらに近づけたんだって、後になって気づいたんだ。アイスの甘さと、フーガちゃんの優しさが、私の心にずっと残ってるの♡

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