第69話 先生たちとのゲームに負けて罰ゲームさせられる
「ふふ、はいあーん♪」
「あ、あの……ここでは、ちょっと……」
拓雄の隣に座った彩子が、人目も憚らずに、体を密着させて、注文したケーキを拓雄に食べさせようとする。
「彩子先生、人が見てますよ。止めなさい」
「良いじゃない別に。一応、帽子を被ってるんだし」
「そういう問題じゃありませんし、帽子を被っていたってわかる人はわかるんですからね」
「あら、生徒をお茶に誘っている時点で、ユリア先生も同罪なんですけどねえ。ほら、拓雄ー。先生のチョコケーキも食べる?」
「あの、流石にちょっと……」
見兼ねたユリアが、頬を膨らませながら、彩子に注意をするが、彩子もすみれも聞く耳など全く持たず、構わず教え子とベタベタする。
折角、ユリアと二人きりで、ゆっくりと過ごせると思ったのに、残念に思っていた拓雄であったが、それを口にする事も出来ず、ただ彼女らにされるがままに時間が過ぎるのを待つしかなかったのであった。
「どうだった、ユリア先生とのエッチな課外授業は?」
「え、エッチな事なんてしてないです!」
「ま、まさか、二人ともやっぱり、二人きりでイケないことを……不潔ですよ、ユリアちゃん!」
「はあ……騒がないでください、お願いですから……」
いつも通りの反応とばかりに、ユリアも呆れた顔をして溜息を付きながら、なおも止めるよう注意する。
しかし、二人ともいつもの事だと言わんばかりに、構わず拓雄に纏わりつき、ユリアの邪魔をする気を隠そうともしていなかったのであった。
「それより、随分と良い店知ってたじゃない。ユリアちゃん、やっぱりセンスあるわー」
「別にたまたまです。気に入ったのであれば、二人ともあまり騒がないでください。迷惑になりますので」
「あら、別に騒いでるつもりはないんだけど。今日も私らが待ち合わせしている間に、拓雄がたまたまこの店に入ったって事にしておいてあげるわ。感謝することね」
「偉そうに……ふん、拓雄君も良かったじゃない。二人と両手に花状態になれて」
「そ、そういうつもりは……」
すみれと彩子が割り込んで迷惑していたのは、拓雄も同じだったので、そんな事を言われる筋合いもなかったのだが、ユリアも邪魔されて、苛立っていたのか、拓雄に八つ当たり気味にそう言った後、コーヒーを飲み干す。
そんなユリアの様子をニヤ付きながら、すみれと彩子も眺めており、二人ともしてやったりとばかりの顔をしていた。
「それより、どうしますか、これから?」
「どうするって、別に帰るだけですけど」
「それじゃ、つまんないじゃない。皆で遊びに行きましょうよ」
「あのですね。期末試験も近いのに、教師が生徒を遊びに連れてってどうするんですか? 常識で考えてください」
「でも、折角だし、良いじゃない。別に遠出するつもりはないわよ。勉強ばかりじゃ、息が詰まるから、息抜きは必要だと思わない? ねー?」
「その……」
教師三人と一緒だと、却って息抜きどころではないのだが、拓雄も断りきれず、困った顔をして、ユリアに視線を送る。
しかし、彼女も既に諦め顔だったのか、溜息を付いて、
「ご馳走様。私は、もう帰るから、どうしても二人で遊びたかったら好きになさい。学園には黙っておいてあげるから、どうぞ楽しみなさいな」
「あら、投げやりね。それはそれでつまらないわねえ」
「どうして欲しいんですか、全く……」
「うーーん……三人が一緒の方が楽しいですね。そうだ、ボーリングとかどうです? 近くにあるので、四人で行きましょうよ」
「あの、ボーリングはちょっと……」
「ん? 苦手なの?」
「はい」
拓雄が恐る恐るそう言うと、すみれは逆に彼の頭を撫でて、
「なら、苦手意識を克服するために、先生が教えてあげるわ。ほら、さっさと支度なさい」
「え、そ、そんな……」
と言い、拓雄を強引に店外に連れ出して、四人でボーリング場へと向かうことになる。
思いもかけず、四人と行動する羽目になってしまい、拓雄も呆れていたと同時に、ユリアのことが気になってしまい、ボーリング場へ向かう途中も、彼女に視線を送り続けていたが、ユリアは終始、不機嫌そうな顔をしており、一言も会話することなく、ボーリング場へ着いてしまったのであった。
「さあ、まずは私からよ……えいっ!」
近くのボーリング場へ行き、すみれが手早く手続きを終えた後、早速、すみれがボールを手に取って転がす。
「ああん、惜しいわね。もうちょっとでストライクだったのに」
「ドンマイですよ、すみれ先生。やっぱり上手いですね、ボーリング」
「学生の頃はもうちょっと上手く出来たんだけどなあ……ちょっと鈍ったみたい。えい」
一本だけピンを倒し損ねてしまったすみれが、改めて二投目を行うと、残ったピンも倒して、スペアをもぎ取る。
「ささ、今度は拓雄君よ。どんとやってみせて」
「は、はい……」
緊張した面持ちでボールを手に持ち、レーンにぎこちない手つきで転がしていく。
「あーあ、ガーターじゃない……もうちょっと正面に向けて投げないと駄目よ」
「すみません……」
案の定、投げるときにバランスを崩してしまい、ガーターとなってしまう。
ボーリングは得意ではなく、友達とやった時もいつもこんな調子だったので、格好悪いところを見せたくなかった拓雄であったが、先生たちに言われて、断りきれず、やらざるを得なくなり、結局、冴えないスコアで終わってしまったのであった。
「えー、順位発表。一位は、この私、すみれ先生ー♪ んで、ビリは拓雄ー。って、彩子先生より、スコア下って、洒落にならないわよ」
「うう……」
スコアは、拓雄は四人の中で一番ビリになってしまい、落ち込んだ顔をしてうな垂れる拓雄。
二番目がユリアで、三番目が彩子であったが、お世辞にも上手とはいえなかった彩子より、スコアが下だった事にはすみれやユリアも驚いてしまい、拓雄も恥ずかしくなって、顔を赤くしてしまっていた。
「ドンマイよ、拓雄君。誰にだって苦手な物はあるんだし、今日はたまたま調子が悪かっただけよね?」
「そういう慰めは、逆効果だと思うわよ。ま、ボーリングなんてプロを目指してる訳でもない限り、下手でも困りはしないわ」
「ユリア先生も相変わらず、微妙にフォローになってないことを言うわねえ。んじゃ、罰ゲームの内容発表するわよ」
「え? 罰ゲームって……」
「ビリの子は一位の子の言う事を、一つなんでも聞くの。拓雄は私の言う事を聞くのよ、わかった?」
「そ、そんなの……」
「聞いてないとでも言うの? いやねえ、私らとゲームして、何のペナルティーもないなんて有り得ないわよ。んじゃ、罰ゲームの内容公表と言いたいけど、ここじゃ目立つんで、外に出て、ユリア先生の家に戻るわよ」
事前に何も言われてなかったのに、いきなり罰ゲームなど理不尽さを感じていたが、ユリアも彩子も居るので、あまり変なことは出来ないはずだと淡い期待を抱きながら、四人で外に出る。
「ふふん、罰ゲームの内容よ♪ 先生を脱がせなさい」
「は?」
ユリアのアパートに戻り、すみれがとんでもないことを口にし、拓雄も目を丸くする。
「ちょっと、何ですか、その罰ゲーム。セクハラじゃないですか」
「今更過ぎるし、付き合ってるならセクハラじゃないー。ほら、早くやりなさい。上着だけで良いから、 先生を襲って脱がせなさいー。ついでにおっぱいも揉んでもらおうかしら」
「う、うう……」
すみれが体をくねらせて、自身で胸を揉み、拓雄を挑発して迫っていく。
ユリアも彩子も止めようとしたが、すみれは聞く耳持たず、
「ほら、やりなさい」
「わ、わかりました……」
止むを得ず、拓雄はすみれの着ていた、カーディガンに手をかけて脱がしていき、ブラウスのボタンも外していく。
「あーーん、拓雄君がすみれ先生の餌食に……」
「させないからね、私の部屋で」
「ふふん、それはこの子次第ね。ほら、後はブラジャーだけよ。さっさと外しなさい」
「そ、それは……」
言われた通り、ブラウスも脱がして、すみれの上半身はあっという間に白のブラジャーだけに身を包んだ姿になり、それも脱がすよう命じる。
拓雄も彼女のプロポーションに息を呑みながらも、恐る恐る彼女の背に手を伸ばして、ブラのホックに手をかけて弄り、
「あ、やああん♪ほら、早く脱がしてえ」
「はいはい、そこまで。人の家で不順異性交遊なんて許すわけないでしょう」
ユリアがすかさず割って入り、拓雄のてを引き離す。
君が好きなのは姉御肌のセクハラ女教師?おっとり美人のだだ甘女教師?それともクールなストーカー女教師? @beru1898
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。君が好きなのは姉御肌のセクハラ女教師?おっとり美人のだだ甘女教師?それともクールなストーカー女教師?の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
参加中のコンテスト・自主企画
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます