第7話 愛
菫と嶺零は、心の中の果てしない風景に身を委ねていた。ここでは、時間も空間も曖昧になり、ただ二人だけの特別な世界が広がっていた。
菫の心の風景は、柔らかな霧に包まれた深い森のようだった。木々は透き通る光を放ち、葉っぱの間から微細な光線が漏れ、幻想的な輝きを作り出す。彼女の心は、光と影の中で揺れ動く、微細で深遠な感情の海に浸っていた。菫の瞳には、その森の美しさが映り込み、心の奥深くで愛の種が静かに芽生えていく様子が感じられる。
嶺零の心の風景は、神秘的な深海のようだった。深い青の海中には、光る魚たちが泳ぎ、ゆらめく水面がまるで宝石のように輝いている。嶺零の感情は、海の深層で広がる穏やかな波のように、静かでありながらも力強く、愛の温かさが波間に溶け込んでいく。嶺零の心は、この深海の静寂と共鳴しながら、菫との結びつきを深めていた。
彼女たちは、心の中で繋がり合い、互いの存在を深く感じ取る。菫と嶺零の視線は、心の空間で静かに交わり、互いの内面の景色を見つめ合う。彼女たちの感情は、微細な振動として伝わり合い、二人の心の中でひとつの大きな波を作り出していた。
ゆっくりと距離が縮まり、互いの唇が触れる瞬間、その心の風景が一つになったかのように感じられる。菫の森の中に、嶺零の海の光が溶け込み、愛のエネルギーが深く交じり合う。唇の触れ合いが、心の奥底で響き合い、深い愛のメロディーが奏でられた。
その瞬間、二人の心の風景は完全に溶け合い、静かで美しい調和が生まれる。愛の光が彼女たちの内なる世界を満たし、二人の心が一つの存在として完全に調和しているのを感じた。時間が止まったかのような感覚に包まれながら、菫と嶺零は、心の中で一つの完璧な宇宙を作り上げたのだった。
終
深海と深森の愛 紙の妖精さん @paperfairy
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
参加中のコンテスト・自主企画
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます