第64話 その頃の世界 ゲーム外
#第三者視点が続きます ※サバイバルゲーム終了直後の時間軸になります
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#C国 首席
「どうなっているのだ!なぜ我が国の精鋭が半分しかクリアできていない!?A国や日本に劣った結果など認められんぞ!!」
怒り狂う私に、側近が恐る恐る進言する。
「首席。今回の結果には、我が国唯一の前回クリア者である、王
そんなことは、配信を見ていたからわかる。
この無能が!!
そう叫びたいのを押さえ出来の悪い側近にも寛大に接してやる。
「王の暴走であることは、わかっている。どうして、奴を制御できないんだ?」
「奴は軍出身の男ですが、どうも自分の派閥をつくろうとしているようです。今回の部隊選定にも大分口を出していました。そして・・。」
「そして、なんだ?」
「そした、今回脱落したメンバーは、奴の派閥以外から参加したものばかりでした。確定ではありませんが、奴があえてそうした可能性もあるかと・・。」
何!?
それほどまでに野心があるのか・・。
これは、取り込むか排除するかを慎重に検討する必要があるな。
「わかった。ひとまず、王と会談をセッティングしてくれ。現状の最高戦力であることは間違いないからな、一度、話をしてみたい。」
さて、今後世界は大きく変わる。
私は、世界の覇権を握る良いチャンスになるなと、将来を夢想することにした。
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#第三者視点が続きます ※サバイバルゲーム終了直後の時間軸になります
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#T国 首相
「首相。どうしますか、このままでは国が・・。」
側近が私に対して悲痛な声で問いかける。
そう、現在我が国は存続の危機に陥っているといって良い。
神と名乗る不届きものの起こしたゲームに我が国はクリアすることができなかった。
第一に引き続き、第二のゲームのペナルティを受けることになってしまい、最早崖っぷちである。
「救援を頼むしかないな・・」
「ですが、どこにですか?現在、国連はほぼ機能していません。我が国も被害を受けた前回の大量失踪で、完全に手が回っていないのが現状ではありませんか。」
側近の言うことは正しい。
国連が役に立たないのなら、個別に友好を結んでいる国に頼むほかはないだろう。
「友好国に依頼するほかないだろう。」
側近はそれに対し、苦言を呈す。
「例え友好国であっても、軍に値する戦力を招くのですか!?国防は主権国家として手放してはいけないものです。国としての沽券に関わる重大事項ですよ!」
これも、側近が正しい。
それでも、私は続ける。
「君も見ただろう?モンスターには通常の火器が効きにくいらしい。そんな脅威が後一週間で、この国に溢れかえる可能性がある。そして我らには、それを確実に防ぐ手段も、戦力もない。もはや、手段は選んでいられないのだよ。」
その言葉に、側近は何も言えなくなり、肩をがっくりと落とす。
「わかり・・ました。救援依頼を出しましょう。それで、どこに出しますか?同盟国であるA国と距離的に近いC国でしょうか?」
「確かに、A国とC国は国力もあり頼りになるだろう。だが、この未曾有の災害に対し最も有効的に動けているように見えるのは日本だ。日本は、長年の友好国でもあるので、応じてくれるかもしれない。是非とも、依頼を出してみてくれ。」
私は、二国に加え、長年の友好国である日本も付け加えてもらうように告げ、側近は慌ただしく部屋を出ていった。
「日本は、来てくれるだろうか。もし可能なら、あのボスモンスターを倒した
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#以下は三人称視点となります
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#SIDE ??
「いや~、今回も面白かったね。僕、大満足!そう思わない、●●?」
神と名乗っている存在が、傍らに控える使徒に話しかけている。
使徒は、それに対して恭しく答えた。
「はい。貴方様のゲームによって、人間の新たな可能性が垣間見えました。これならば、今後のゲームにも期待が持てると思われます。」
使徒の回答に、満足したのか、うんうんと頷き上機嫌に話を続ける。
「そうだよね!我ながら、ゲームを追加して良かったよ。一年間もイベントが無かったら、また退屈で星でも壊しちゃうところだった。危ない、危ない。」
星を壊すという、とんでもないことを平然と口にする神に対しても使徒は特に反応を示していない。
おそらく日常茶飯事の事なのだろう、例え、それが本当に実行されてたとしても。
今度は使徒から話しかける。
「貴方様のお気に入りのプレイヤーはどうでしょう。この先も楽しませてくれそうですか?」
「加賀見君のことかい?そうだね~。彼はとてもユニークだからね。また、とんでもないことをしてくれるに違いないよ。僕の推しメンなんだ!!」
その言葉を聞いた使徒は、能面のような表情に何かの感情が表れる。
「それほどまでに、お気に入りなのですね。ですが、その加賀見が実はたいしたことなく、あっさりやられてしまうこともあるかもしれません。それこそ、ダンジョンに挑んであっさりと。」
「うーん。ボスモンスターさえ何とかした彼だからね~。今出てくるIクラスのダンジョンなんて、苦労しないんじゃない?ただ、もしやられちゃったら、しょうがないね。そんなことにはならないと思うけどね!」
期待を込めた、その言葉を最後に神の気配が消えた。
あとに残された使徒がつぶやく。
「貴方様の興味をそこまで引き付ける人間ですか。少し、私も興味が出てきましたね。」
使徒、日本に現れたフテラと呼称される個体もその言葉を最後にその場から姿を消した。
こうして、一つのゲームが終わる。
だが、次の脅威はすぐそばに迫っており、ペナルティを受けた国のスタンピード発生まで一週間の期間しか猶予がない。
世界情勢は急速に動き出し、加賀見もまたその渦に飲み込まれることになる。
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作者コメント
次話から、三章に入ります。
ついに、初ダンジョンが世界に現れる予定です。(出るまでに随分かかってしまった。)
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