僕と俺

張本張張

始まり

『2XXX年、この星の人間は13〜15歳の間で多くの人がその人の性格などにあった動物へと変身できるようになりますね。それは、2000年、この星に隕石が衝突し紫色のオーラがこの星を覆ったときからです。動物の能力を使って21世紀から大きな発展を遂げてきました。ではそこの君、なぜ13~15の間が多いと言われていますか?』

「それは、思春期を通して激しい感情の起伏が起こり、それが変身のエネルギーと

 なると考えれているからです。」『よくできました。でも、今の御時世この発展した地域で変身する必要はなくなってきましたね。』その時、僕に気を使われた気がして嫌になった。

 僕は今、16歳の高校1年生でまだ変身したことがない。周りのみんなや家族は、このことには触れないで優しくしてくれるがその優しさがときどき苦しくなる。でも、親友の正太には気が許せる。彼はクラスの人気者でみんなから好かれている。そんな彼が僕の親友ということが自慢であるが、なぜ仲良くしてくれるのか不思議に思う。

 午前の授業が終わりお昼ご飯を食べていたら、「そういえば、正太って右腕は特にだけど割と傷跡多いけど昔ヤンチャしてた?w」と友達が聞いた。正太が僕を一瞬見たあとに「小4の時ちょっとねww」と言った。すると友達が「お前らっていつから仲いいん?」と聞いてきた。それに正太は「親どうしで仲良かったから小さい頃からだよ」と言った。ただ僕は小さい頃から仲が良いのは覚えているが、小学校より前、特に小3〜4の記憶はほとんどない。正太は傷口のことは前から聞かれたくなさそうだったしヤンチャするタイプではないから初めて聞いて意外に思った。

 次の日、動物に変身した状態での体力テストがあった。天気は快晴で日差しが強く足取りは重くなる一方だった。正太が活躍しているところが僕にはとてもまぶしくて目が痛くなった。それでも、みんなは気を使って自慢をしてこないが、正太は自慢してきてくれ特別扱いをしてこないので僕はそれがとても嬉しかった。

 その日の帰り道、正太とは途中道で別れ一人で帰っていた時後ろから声がきこえた。振り向くと小学校低学年のときよく遊んでいた人だった。すると、「なんかだいぶ雰囲気変わったな。ほら、小学校のときはえー...っとそう、正太と二人で先頭に立って色々やってたやん。てか一人称が僕って何か弱々しくなったなww」僕はその言葉に動揺してその後の話は覚えていないし、気付いたら家についていた。ご飯を食べている時にさっきのことが気になってお母さんに「僕って小学校の時ってどんな感じだったっけ?」と聞くとちょっと引きつったような笑顔で「今とあんまり変わってないと思うよ。それよりあれは?.....」と急に話がかわって変な感じがした。



 『おい!!〇〇大丈夫...!あ、良かった。今、救急車呼んでもらったから大丈夫。お前まさかへんs.......でき......』目が覚めるともう朝で何故か泣いていた。夢に出てきた人は正太に似ていて周りの風景なども妙に鮮明だった。このことを誰かに言ってみたかったが何かが変わりそうな気がして誰にも言えなかった。学校でも、そのことが気になって仕方がなかった。

 学校の帰り道、僕の異変に気がついていたのか正太が「お前、なんかあったろwおれ様が相談にのってやるよ」と明るく言った。僕は夢のことについて話すか迷ったが、正太に似た人が出てきたし気になって言ってみた。すると、さっきまで明るかった面持ちが消えた。ハッとなったあと、「気のせいじゃね?ww」と言った。それは、前のお母さんと似たような顔をしていた。

 少し気まずい雰囲気を感じながら帰っていた途中、弟と複数人の姿が見え弟はそいつ等に囲まれていた。近くに行くと弟は傷だらけだった。どこかで音がなった気がした。すると、「あれ〜お兄様とその友達が助けに来てくれたよ。あ、でもお兄さん変身できないんだよねwwwwww」と誰かが言った。「うるさい!お兄のことを悪言うな!」そう弟が言った瞬間、誰かに蹴られた。正太がそいつらを止めようとした時、パッンと切れるような音がした。気がつくと、そいつらはもういなくて俺は正太の右腕を噛んでいた。手をみると鋭い爪があった。そして思い出した。小4に起きた出来事を。

 当時、俺と正太はやることやること全部一緒で遊びの中心だったり多くのことで中心にいた。そんなある日、正太の家族と一緒に旅行に出かけた。もちろんそこでも俺等は二人で遊んでた。でも、そこで高校生くらいのやつらに絡まれてしまった。中学生くらいには負けたことはなかったけど、流石に勝てなかった。何を言っても一方的に殴られ続けられた。やっと終わって正太の方を見てみると俺よりもずっと酷く怪我をしており骨も折れていた。その瞬間、俺の中で色々な感情が飛び交って何かに変身してあいつらを襲った。気がつくと正太の腕を噛んでいて俺を止めてくれた。その時から俺は自分のことが怖くなって同じことが起きないように無意識のうちにあまり感情を表に出さないようにしていたと気がついた。

 「また...俺がやったのか。」『今、俺って言ったのか。ってことは記憶が戻ったのか!』「あぁでも、またコントロールできないで人を傷つけてしまった。もう嫌だ。

 何もしたくないよ...」『おいそんなこと言うなよw見てみろ。俺だってあれから頑張ったんだぜ?腕を見てみろ。全然深く噛まれてないし、さっきの奴らっだってすぐに逃げ出したんだwwつまりそんな怪我してないんだ。俺はとにかくお前が戻ってきて嬉しいんだ』「でもまた同じことを..」『そしたら俺様が止めてやるよ。だから安心しろよ。だから、もう塞ぎ込むなよ。』「わかった」『でもほんと良かったぜ。小4のあの時から急に人が変わって、その出来事を教えると暴れるから自分で思い出すまで言わないで置こうってなってたから大変だったわ。もう大丈夫だろ。』「おう」

 あれから、学校でみんなにこのことを話したら温かく迎え入れてくれた。どうやら正太が色々と先に話しておいてくれていたらしい。

 今日から俺も変身して行う授業に参加する。実はちょっぴり緊張している。すると

『いけるか。』「おうよ!」

 今日は快晴で日の光は気持ち良かった。

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