風がなくても奏でるガラスの鈴、その爽やかな音色に隠された秘密とは……

この掌編作品には、最初から最後まで季節外れの風鈴の音色が「ちりちりーん」と鳴り響きます。その音色を通じて、日常の中に潜む不思議な出来事や人間関係の微妙なニュアンスが描かれています。

友人の家での何気ない会話から始まり、風鈴の音が次第に不気味さを帯びていく描写が物語全体に緊張感を与えるポイントです。

特に、耳の聞こえないおばあちゃんが風鈴を吊るす理由や、その音色が風がなくても鳴るという謎が、怖いか怖くないかわからない物語に一層の深みを与えています。甘みが際立つ味わいを感じられるホラー話をありがとうございました。