いる
白兎
いる
これは私が小学校低学年の頃のお話です。私が夏休み中のある日の事。
昼間、一人で部屋に居ると、ガサッ、と音がしたのです。何かがいる。私は音のする方へ目を向けた。机の下の暗がりを覗き込むが、何も見えない。意を決して奥へと這いずっていくと、色々なものが落ちていて、ほこりだらけだった。しかし何もいない。私は机の下から出てほこりを払い、落ちていたゴミを捨てると、また、ガサッと音がした。
いる、何かがいる。音はやはり机の下から聞こえた。
「出て来い!」
と声を出してみたが、それは出てこない。もう一度、机の下へ潜り込み、手探りでそれを探した。そして、私は動くものを掴んで机の下から這い出ると、
「お前か!」
それは二日前の夜、私が部屋の中に放ち、遊んでくれたカブトムシの雄だった。部屋の照明を付けていると、ブンブンと元気良く飛び回り、照明へぶつかって、ボトリと床へ落ちる。そして、再び飛び回り、ぶつかって落ちる。それをひたすら繰り返して、そのうち、どこかへ行ってしまった。探しても見つからなかったのでそのままにして忘れていたのだった。
「遊んでくれてありがとう」
私は彼のほこりを払って外へ出してあげた。昼間だからかな? あまり元気ではなかった。
いる 白兎 @hakuto-i
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