怖いのは変わらずだが、安心した。


 2024年8月5日の週は、21世紀の日本において、有数と呼べるほど衝撃的な一週間となった。

 立て続けに生じた大事件。これからやってくるかもしれない未曽有の危機。

 どう身構えればよいのか。温みのある言葉が胸をほぐすエッセイ。



 自分の実家がトラフ地震の影響をもろに受ける場所にあって、大地震の存在は何十年と語り継がれてきた。

「なんだかんだ起こらないだろ」と楽観視する人もいた。
「起こった時は起こった時だ」と受け入れる人もいた。
「日本にいる限りはどこでも起こるし、世界に出ても別の災害があるだけ」と悟った人もいた。

 私はどれにもなれなかった。

 どれにもなれず、可能性が特に高いとされる「二週間」を震えながら過ごすつもりだった。

 そんな時にこの作品に出会った。

 根強く残った恐怖は完全には消えなかった。でも、自分のやるべきことをしっかりとやろうという気にはなった。

 それは読む前には浮かばなかった考えだった。


 これをレビューと表現して良いのかは分からない。

 でも、今の自分にストライクだったことだけは伝えたい。 

 ありがとう。