第12話
ガチャリと音を立てて玄関の扉を開ける。少し前より涼しくなっては来ているようだ。風が肌をかすめ通り過ぎていく際に冷たさを感じる。
(と言ってももまだ残暑は有るかな、最近は早い時間に散歩に行ってたからこんな時間は久々)
帰省から帰り仕事を済ませて散歩の準備を整えると時間は既に午前3時前を示していた。
(今日は軽く家の周りを回るだけにしておこう)
反射タスキの確認、携帯の確認、ライトの確認、田んぼ道を歩く訳では無いが最近虫刺されが多いので虫除けをかけて家の敷地を出る。
(わぁ、最初から猫だ。しかも仔猫だ)
高い声で鳴いている仔猫は誰かを呼んでいるようだ。少しすると何処からともなく他の猫、それも大人の猫が出している声が聞こえ仔猫の前へと現れた。
(親猫かな?…あ、連れて行った)
大人猫は仔猫に軽いパンチを当たると身体を舐めて仔猫を咥えて何処かへと行ってしまった。
(もうなんかこれで満足だけど回ろうか)
今日は時間を決めて30分以内には戻れるような道を選んで散歩を始めた。生憎の曇り空なので星空が見えずいつもよりも暗い。
足元や周りに気を付けながら歩きそろそろ折り返して帰ろうかと言う所でまた猫を見かけた。
(もしかしてさっき見た猫達?)
今は空き家になっている家の敷地へと仔猫を咥えた大人猫が中へと入って行き、茂みへと入って行った。
すると今度は茂みから仔猫が2匹飛び出して来たがすぐにパンチを大人猫から貰って回収されて行った。
(大変だね、頑張って)
微笑ましい猫達を見て帰路へとつき、家へと帰った。30分くらいの散歩で星空は見れなかったもののかなり満足した散歩だった。
(次も何か有るかな)
夜の散歩 四葉翠 @YotsubaMidori
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