第12話 自問自答


 家へと帰る途中、私は何かに追われているかのように、ひたすらに駆け続けた。


 駆けている間、ひたすら私は自問自答を続けていた。


 昔の私って?


 今の私って?


 本当に、私は私なの?


 答えは出ない。いや、ひょっとすると壁の言ったとおり、答えはもう既に出ているのかもしれない。


 それを認めたくないだけなのかもしれない。


 そんな考えが浮かんではみたものの、そうなると、何を認めたくないのか、という疑問に行きついてしまう。そしてまた振出しに戻るのだ。


 昔の私って?


 そう。これが最大の謎。


 あんな人ならざるものと知り合いだったという、昔の私。


 そして、そんな私の横で笑っていたおばあちゃん。


 おばあちゃんと私。


 いったい、どんな風に日々をすごしていたんだろう。

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