最終回9話:ライバルたちといつかちがう道で

 見たこともなかった次元ホールの正体はルサシスの空間だった。





 そしてあつかいは次元ホールの外。

 超能力が使えるか戸塚剣縦とつかそうらは軽い電撃をルサシスにはなつ。





 しかしルサシスはかるくはじいて余裕の表情を見せた。






 茨鉄いばるぎ冥菱めぎどRAMランはたがいへむけたさきほどの敵意を保留にしてルサシスへの攻撃を決める。






「まあルマリアだけが最後の生き残りと聞いていても誰か残党ざんとうがいることは予想していたよ。それでもこんな時にくるとは」







 戸塚はルマリアから話を聞いていたので飲み込みがはやい。






 茨鉄いばるぎ達はルマリアがとらえられている時点でルマリアの協力者ではないことを知り、持てる能力で立ち向かうため準備をする。





 ルサシスが話し出す。



「ルマリアの能力のおかげで人間兵器を生み出せる。これほどの手練てだれを育てるとはさすがだ」






「違うルサシス!私は……この能力で人間世界を侵略するつもりはない!居場所も仲間も失った世界でひとり生き残った一種いっしゅとして生きてみようと……」






 ルマリアの話をさえぎり、ルサシスは彼女の首をしめる。






「人間世界のことは俺にまかせろ。そしてこの世界で能力者を利用し、ともに一種の繁栄はんえいをちかおう」






 茨鉄達は正義の味方でも悪の殺人者でもない。






「戸塚。ルマリアを助けたかったら組んだ方がいい。郷極ひるおきRAMランもうらみや命令を聞くのならあとでもやれる。俺たちはガキじゃないから分かるよな? 」






 事情が複雑そうな2人にさっきまで戦いあっていた郷極冥菱ひるおきめぎどでさえ茨鉄いばるぎは協力をお願いする。







 郷極冥菱ひるおきめぎどはルマリアに戸塚剣縦とつかそうらを守ることを命令されていただけで戦う理由は自分の意思ではなかった。






 ただRAMラン戸塚剣縦とつかそうらにうらみがあったことをさっきの戦いで知った茨鉄いばるぎは聞き入れてもらえなくてもしかたないとダメ元だった。






 RAMラン茨鉄いばるぎと組んで仲間の郷極冥菱ひるおきめぎどと組もうとした戸塚剣縦とつかそうらを殺そうとしたはずなのにこの時は素直に茨鉄いばるぎの協力を聞いてくれた。







「ま、ルマリアって恋人がどうなるのか気になるし戸塚剣縦とつかそうらだけであのルサシスってやつを倒せるか分からないからこの戦いを終わらせてからぶっ倒してもいいか」







 腹の底に何を考えているか分からない即席そくせきメンバーでルサシスへ遠距離攻撃をそれぞれの属性で行う。






 ルサシスには戸塚の雷がはじかれた。

 ルマリアには茨鉄いばるぎの能力が聞いたのでルサシスは何らかの対策をしているのかもしれない。






 足並みそろわない4人分の攻撃が効くかためすために能力を使って戦い続けた。







雑魚ざこが!ルマリアが次元ホール外から干渉かんしょうできることを利用してお前達のデータは見させてもらった。ルマリアしか次元ホールは使えないが一種いっしゅ武力ぶりょくだけで人間などどうとでもなるんだよ! 」






 ルサシスがうでを振り払って4人の能力をはらう。






 茨鉄いばるぎ郷極冥菱ひるおきめぎどはいくらルサシスが能力を把握はあくしているとしてもいつの期間のどこまでかは分からなかったのである準備をしていた。







 戸塚剣縦とつかそうらRAMランついとなる茨鉄いばるぎ郷極冥菱ひるおきめぎどと組んでいたが彼らの能力を知れば実質じっしつ二人きり。







 うらみ続けた者どおし分かり合えるわけはなかったがRAMランはルマリアと戸塚剣縦とつかそうらが愛し合っているのをルマリアが郷極冥菱ひるおきめぎどを使ってまで守らせようとしていたことから知っていた。






 あれだけ人に嫌がらせをし続けた人間が異種族の女性を真剣に守ろうとしている。






 ルサシスは茨鉄いばるぎ郷極冥菱ひるおきめぎどの攻撃を避けては払って攻撃するがあれは本物を探させないための乱撃らんげき






「組むのは一回だけだ。この腐れエリート」






 戸塚剣縦とつかそうらもルマリアを守るためにRAMランと組むことを選んだ。







「足引っ張るなよ根に持ち風太郎ふうたろう






 戸塚剣縦とつかそうらはルサシスが水を払っていないことに気が付き、RAMラン郷極冥菱ひるおきめぎどの攻撃が少しずつルサシスの動きを土で足元をにぶらせていることに気が付き、ルサシスが人間を見下してノーガードなのを利用して細かなかまいたちをとばした。







 RAMラン茨鉄いばるぎが水上ドームをつくろうとルサシスをおおうのを利用し、水分を利用して乱気流らんきりゅう

 を風を使って生み出し、戸塚剣縦とつかそうら茨鉄いばるぎのもとへ向かう。






「今回だけ協力してやるよ」






 水上ドームがルサシスへみち、「くそてめえら! 」とルサシスが郷極冥菱ひるおきめぎどの土と金属に身動きが取れない状態で茨鉄いばるぎの水におぼれかけるところで戸塚剣縦とつかそうらRAMランが作った嵐に向かって雷をはなつ。






「ルマリアは……渡さない!」






 戸塚剣縦とつかそうら雷鳴らいめい茨鉄いばるぎの水を通してルサシスに届く。






 ルサシスのみ電解水にしているのかルサシスも大ダメージをおった。






「く、くそ!ルマリアの……次元ホールの超能力がここまでとは……」






 戸塚剣縦とつかそうら達4人がそろい、まるでリーダーのように戸塚剣縦とつかそうらが話を続ける。






「あんたが来たってことはルマリア以外はほろんだはずの一種いっしゅもまだルマリアをねらって生き残ってる可能性があるらしいな。まあそれはいい。お前のような過激派かげきはなら俺が……」






 そこを茨鉄いばるぎが食い気味で説明した。






「俺達がとめる。ったく。超能力者バトルなんてしてるひまもなくなったわけか」






 構えている4人のまえでルサシスからのがれたルマリアが4人の元へやってきた。






「次元ホールを閉じる! 」






 なんだと?

 茨鉄いばるぎ達はルマリアと戸塚剣縦とつかそうらの身勝手なやり方にふりまわされてばかりで内心いらだっていた。






「ルサシスのような者たちがやってこないようにするために私もはらをくくる。それと超能力者問題がおおやけになったら今まで通りの生活もできない。もう、私の故郷こきょうは人間世界だから! 」






 瀕死のルサシスもまだ何かをねらっているのか攻撃しようとする。






「「俺達の作戦を忘れるなあ!」」






 ルサシスの不意打ちをふせぐために本体を隠せる超能力者の茨鉄いばるぎ郷極冥菱ひるおきめぎどが大気中にまう土と水を細かい水振動カッターと金属入り土塊つちくれ

 で細かくルサシスを攻撃する。






「お、おまえたち……ここまで……」






 ルサシスに何もさせず倒すことに成功した。





 複雑な心境の4人へルマリアは手を広げ、次元ホールを閉じる。





「前々から能力者がふえることに疑問はあって、いつ閉じようか迷ってた。私も戦いを楽しんでいたのかも。剣縦そうらを最高の男にるために。でもこれでおしまい」






 するとRAMランがお取り込み中悪いけどと前置きした上で大事なことを質問した。






「次元ホールが閉じたあとは超能力は消えるのか?次元ホール外でも使えるやつが他にもいて2つめの能力があるやつもいるかもしれない。それにルマリアだけが次元ホールの力をあつかえるとは思えない。まだ一種いっしゅだかなんだか残ってるかもしれない。お前らみたいに友好的ゆうこうてきとは限らないやつらが」






 たしかにそうだとルマリアはため息を心の中でついていた気がした。






 すると郷極冥菱ひるおきめぎどがその場を去ろうとみなに背を向ける。





「俺たちには拳と蹴りがあるだろう?」






 静かにそういって次元ホールの大地をけった。





「命令通りに戦ってから解放かいほうされたか。あの土使いとはもう少し話したかったが」





 戸塚剣縦とつかそうらはおしそうに去っていった彼をながめると残ったRAMと茨鉄いばるぎは話し合っていた。






「おたがい戸塚剣縦とつかそうらを憎んでるだろう?あとの不安も俺たちしか解決できそうにないから今後くまねえか?」





「その提案ていあんにはのる。だが戸塚剣縦とつかそうらとルマリアには新たな命がやどってる」






 茨鉄いばるぎはルマリアがお腹をさすっているのを戸塚剣縦とつかそうらに見せていることを2人でみる。






「へっ。じゃあ少年漫画みたいなライバル関係に落ち着かせるか。で、茨鉄いばるぎは次元ホールをルマリアが閉じたあとはどうする」







 決まってるさ。

 移住先を決めながらトレーニングを続ける。






「俺は誰とも因縁がなかった。それに歳上だからルマリア達がこの次元ホールを閉じたあとの世界でストレスが溜まった元超能力者たちをとめる」






 いまはそれでいい。






 こうして短期間異世界……ではなく異次元バトルはいったん終わった。







 誰かのために結局、茨鉄いばるぎは戦うことはなかったがひとりのおとことして次の戦いにそなえる。






 水、しっかり勉強しないとな。

 とりあえずそれもふくめて全国全世界にある水周りの仕事に就職や転職をしながらゆっくり移住先をきめて戦うか。





 それもまた人生だと信じて





[完]






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水をあつかう筋肉質のおれは他にもライバルがたくさんいて戦わざるをえない理由 釣ール @pixixy1O

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